News 2003年11月27日 09:48 PM 更新

「Winny」で初の逮捕者 ゲームと映画を違法公開した2人

Winnyでついに逮捕者。ゲームソフトと映画を違法に送信可能化した疑いで19歳と41歳の2人。

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の発表によると、京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署は11月27日、P2Pファイル共有ソフト「Winny」でゲームソフトなどを不特定のユーザーに送信しうる状態に置いたとして、松山市の無職少年(19歳)と群馬県高崎市の自営業男性(41歳)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。

 また同ソフト開発者宅も家宅捜索した。現在、同ソフト公式Webサイトは閉鎖されている。

 同ソフトのユーザーが逮捕されたのは初めて。ファイル共有ソフトによる逮捕は「WinMX」に続き2件目。

 調べでは、少年はネットに接続した自宅PCと同ソフトを使い、任天堂「スーパーマリオアドバンス」とハドソン「ボンバーマンストーリー」などのゲームソフトを不特定多数のユーザーに送信可能な状態にし、著作権者の公衆送信権(送信可能化権)を侵害した疑い。また男性は同様に映画「ビューティフル・マインド」などの映像ソフトを不特定多数に送信可能な状態にした疑い。

 ACCSによると、少年は「ゲームボーイアドバンス」用ゲームソフト57タイトルを圧縮した上で「(GBA ROM エミュ)0001-0100(J)」のファイル名で1つにまとめて送信可能な状態にしていた。京都府警は2社のソフト以外のソフトについても調べを進める。

 京都府警は2人の著作権侵害について捜査を進め、要請を受けたACCSは少年の送信可能化状況について調査。対象となったソフトが正規品と同一であることを確認した。

 Winnyはファイル転送に第三者を経由させるなど、匿名性が高いP2Pファイル共有ソフトとして人気を集め、ACCSの今年1月の調査では約22万5000人が同ソフトを使ったファイル共有を経験している。

 ファイル共有ソフトをめぐっては2001年11月、WinMXユーザー2人が京都府警に逮捕されている。



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[小林伸也, ITmedia]

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