iPhone 7で話題の電子マネー、現金よりも安全な理由:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
FeliCaを搭載したiPhone 7の登場で、いよいよ日本でもiPhoneを使った決済サービス「Apple Pay」がスタートします。これを契機に普及が予想される電子マネーですが、どんなメリットやリスクがあるのでしょうか。
新しいiPhoneが発表されました。個人的には、とうとう日本でも「Apple Pay」がスタートすることになったのが楽しみです。Apple PayはiPhoneを使った決済サービス。電子マネー用カードやクレジットカードの代わりに、iPhoneでタッチするだけで支払いができます。
非iPhone派なら、「既に10年以上前にガラケーで実現されていたよ!」といいたくなるでしょうし、そもそも、最近ではクレジットカードや電子マネーが使えない場所も減っているので、“今さら感”がある人もいるかもしれません。
でも、“サインレスなうえに暗証番号入力すら不要”という便利さはやはり大きな魅力で、私もこれまでカード型の電子マネーを使ってきました。
実質、「日本の国民的スマホ」ともいえるiPhoneが本格対応することで、電子マネーの普及が急拡大すると予想されるわけですが、そこにはどんなメリットがあり、リスクがあるのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
電子マネーはむしろ「安全」?
まず、真っ先に気になるのは、お金が「目に見えない」ことによる不安かもしれません。しかし、私が電子マネーを使うのはむしろ「安全」だから。カード型電子マネーよりも、おサイフケータイやApple Payのように、スマートフォンと連携している方がさらに安全になると思っています。それは、スマートフォン自体が「遠隔ロック」に対応しているからです。
今回のApple Pay日本対応では、JR東日本が提供する「Suica」に対応するのが大きなニュースでした。チャージした電子マネーはきっぷや定期券だけでなく、キオスクをはじめとする多くのSuica対応店舗で利用できます。
紛失時の対応も、カードに比べて安心感が増しています。Suicaの場合、これまではカードに名前や連絡先が入力済みの「記名型Suica」のみ、紛失時の残高補償がありましたが、Apple Pay版Suicaはクラウドと連携することで、無記名式のSuicaでも残高が補償されます。また、iPhoneを落としたり盗まれたりした場合でも、遠隔ロックや遠隔消去をすれば残高を使われずに済むでしょう。
財布を落としてしまうと、現金はどのように使われたか分かりませんし、財布の現金は遠隔ロックで使われないようにすることはできません。クレジットカードや電子マネーであれば、落としたあとに不正利用を防ぐ手段が用意されています。むしろ、現金よりも安心なので、できれば私も小銭以外は全部電子マネーにしたいくらいです。
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