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1人の“ゲーム女子”が「Tableau」でデータ分析チームを作るまで脱Excelで作業速度が10倍に(2/4 ページ)

買い切り型から運用型へとビジネスモデルがシフトしつつあるゲーム業界。業界大手のカプコンも既存ブランドのオンラインタイトルをリリースしている。収益のカギを握るユーザー動向の分析に立ち上がったのは、1人の“ゲーム女子”だった。

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「Excel」と「Access」の限界

photo カプコン 技術研究開発部 通信技術室の二瓶美帆さん

 「Excelで扱いきれない量はAccessで何とかしていたんですが、Accessの2Gバイト制限(※)に苦しみ、2Gバイトを超えないようにファイルを分散してデータを入れて、みたいなことをしているうちに、『うわー!』っとなっちゃいまして(笑)。

※Accessでは容量2Gバイトを超えるデータを作ることができない

 それに、各タイトルを私がずっと張り付きで見られないので、各チームの人たちができるようにしていくのも、自分の仕事だと思っていました。ExcelとAccessでVBAをガリガリ使って……などと複雑なことをすると、運用できる人が限られてしまいます。できるだけシンプルに、そして分かりやすくしようとしたら、限界は早めにきましたね」(二瓶さん)

 この状況を打開しようとWebで情報収集を始め、上司に「何らかのツールを導入しないと、今のままではもう無理だ」と話し、いくつかのツールを候補としてピックアップした。「Tableau」や「QlikView」のほかに「Pentaho」、さらには統計解析ソフトである「R」や「SPSS」も試したそうだ。

導入と展開のしやすさで「Tableau」を導入

 二瓶さんによると、製品を選ぶポイントは“導入のしやすさ”と“社内への展開のしやすさ”の2点だったという。

 彼女は「まずは自分1人分のライセンスでいいから購入してほしい」と希望を出したそうだが、ゆくゆくは各ゲームタイトルの担当者自身でツールが使えるようになるというビジョンを描いていた。そのため、統計解析ソフトのような、難しい操作が要求されるものは教育コストがかさんでしまう問題があった。

 利用人数が増えるとネックになるのがライセンスの形態だ。カプコンの場合、全社導入をするわけではなく、ライセンス購入を決済するのは部署ごと(ゲームタイトルごと)になるため、購入単位は小さくなる。また、データベースの種類やデータの形式はゲームタイトルごとに異なるという事情からも、1アカウントから購入でき、多様なデータ形式に対応するTableauが適していたという。

 「データベースはMySQLが多いですが、それ以外にもPostgreSQLを使っているところもありますし、CSVやExcelのデータを持ってくる部署もあります。各部署なりの進化を遂げたデータを扱わなければいけないので、それを読み込む前に加工して……といった手間がなるべくかからないようにと考えると、Tableauがいいと判断しました」(二瓶さん)

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