できるだけ長く同じスマホを使いたいなら
スマートフォンは、通話がメインだった携帯電話とは比べものにならないくらいさまざまな機能を利用でき、もはや1台の小さなコンピュータと言っても過言ではありません。それゆえ、安全の確保はとても重要です。
アップデートが行われることは当たり前のはずですが、特にAndroidはOSのアップデートがなかなか提供されないだけでなく、アップデート処理自体もかなりの手間がかかります。
私がもし、ITにさほど詳しくない家族にAndroid端末を使わせるとしたら、「長く使うことは諦め、1〜2年ごとの買い換えを前提にした安価な端末」を探すでしょう。最近では、大手キャリアでも“分割なしで3万円以下の高品質な端末”が存在するからです。
もっと長く使いたいなら、安全性の観点からアップルのiPhoneがよさそうです。iPhoneはOSのアップデートも比較的簡単で、iOS利用者のうち86%が最新のiOS 10を利用しているというレポートが上がっています。しかも、2013年に発売されたiPhone 5sでも、2017年秋にリリース予定の次期iOSが利用できるのです。
スマートフォンのように、いつも持ち歩いて使う端末は、「一度買って使い慣れたモノ」を使い続けたいと思う人がほとんどでしょう。しかし、ITに関係するモノ、とくにインターネットに接続するPC、OS、スマートフォンは、時代の流れに合わせて、ある程度の期間で新しいモノに移るべきだと思っています。
携帯事業者が「長く、安全に使えることを保証する端末」を提供すれば、多くの人に使ってもらえると思うのですが、現時点でこれを実現できているのが「携帯電話事業者の機種変更契約ではなく、アップルから直接、iPhoneの端末のみを買う」くらいしかないのがもどかしいです。
個人的には、日本の端末ベンダーが開発した安価で機能が豊富なSIMフリー端末に、より長期のアップデートが提供されることを期待しています。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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