Alphabet、売上高は予想を大幅に上回るもEU制裁金で純利益は28%減
Googleの持株会社Alphabetの4〜6月期決算は、売上高は21%増と好調だったが、純利益はEUへの27億ドルの制裁金支払いが響き、28%減だった。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは7月24日(現地時間)、2017年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、2015年10〜12月期からGoogleとその他の傘下企業の業績を分けて開示している。
Alphabet全体の売上高は前年同期比21%増の260億1000万ドル、純利益は28%減の35億2400万ドル(1株当たり5.01ドル)だった。純利益の減少には、欧州委員会への約27億ドルの制裁金支払いが大きく影響した。制裁金を含む一部項目を除いた非GAAPベースの1株当たり純利益は8.90ドルだった。売上高、1株当たりの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は256億5000万ドル、1株当たり純利益は4.49ドル)を大きく上回った。
Googleの売上高は前年同期比21%増の257億6200万ドルで、Alphabet全体に占める割合は前期より3ポイント減の約96%だった。営業利益は12%増の78億300万ドル。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は52%増加。前期比では12%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は26%減、前期比では8%減だった。
広告以外(YouTube Red、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高は42%増の30億9000万ドルだった。AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)であるルース・ポラット氏は業績発表後の電話会見で、「Google Home」や「Google Wifi」をはじめとするハードウェアの売り上げが成長していると語った。
ムーンショット部門のX、Google Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capitalをまとめた「その他」の売上高は34%増の2億4800万ドル、営業損失は前年同期より8300万ドル減り、7億7200万ドルだった。
同日Alphabetの取締役就任が発表されたスンダー・ピチャイCEOは電話会見で、YouTubeをはじめとするGoogleのサービス全体での機械学習の採用について語った。新サービスなどについては具体的には言及しなかったが、アフリカでのサービス立ち上げ関連でナイジェリアに向かうと語った。
関連記事
- GoogleのピチャイCEO、Alphabetの13人目の取締役に
Googleの持株会社Alphabetが、Googleのスンダー・ピチャイCEO(45)をAlphabetの取締役に指名した。 - EU、Googleに過去最高24億ユーロ(約3000億円)の独禁法違反制裁金
欧州委員会は、Googleが欧州独占禁止法に違反したとして過去最高の24億2000万ユーロ(約3043億円)の制裁金支払いを命じた。Googleは異議を申し立てる構えだ。 - Alphabet傘下のNest、インテリジェント監視カメラ「Nest Cam IQ」を299ドルで発売
“iPodの父”が立ち上げ、Googleに買収されたスマートホーム企業Nestが久しぶりに新製品を発表した。「Nest Cam IQ」は顔認識や音声認識機能を搭載するインテリジェントな監視カメラだ。 - Google I/O 2017基調講演まとめ 「AI First」をすべてのサービスに
Googleの年次開発者会議「Google I/O」の基調講演で発表されたことを時系列にまとめた。詳細はリンク先をどうぞ。 - Alphabet(Googleの親会社)、予想を上回る増収増益
Googleを傘下に持つAlphabetの1〜3月期決算はアナリスト予測を大きく上回る増収増益だった。GoogleはYouTubeやモバイルでの広告に加え、ハードウェアやクラウドなど広告以外からの売り上げも順調に伸びている。 - YouTubeの1日当たり視聴時間が10億時間超え
YouTubeで1日に視聴される動画の長さが10億時間を超えた。ユーザーデータに基づくお勧めアルゴリズムの精度が上がるほど、視聴時間も伸びるだろう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.