EU、Googleに過去最高24億ユーロ(約3000億円)の独禁法違反制裁金
欧州委員会は、Googleが欧州独占禁止法に違反したとして過去最高の24億2000万ユーロ(約3043億円)の制裁金支払いを命じた。Googleは異議を申し立てる構えだ。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は6月27日(現地時間)、米Googleが欧州独占禁止法に違反したとして24億2000万ユーロ(約3043億円)の制裁金支払いを命じた。欧州委員会が企業に科した制裁金としては、2009年の米Intelに対する10億6000万ユーロを大きく上回る過去最高金額となった。
Googleはこれを受け、公式ブログで「われわれはEUの今日の発表に敬意は表しつつ同意はしない。欧州委員会の決定を詳細に検討し、異議を申し立てる考えだ」と語った。
EUは、Googleがオンライン検索市場での優越的地位を乱用し、検索結果を自社に有利になるよう操作したとして2010年から同社を調査していた。
EUは調査の結果、Google検索の結果ページに表示する比較ショッピングサービスの「Google Shopping」を優遇し、競合する比較ショッピングサービスの表示ランクを下げていると判断した。
欧州委員会の競争政策担当コミッショナー、マルグレッタ・ヴェスタヤー氏は、Googleは世界の人々の生活に違いを作る革新的な製品やサービスを提供しているが、同時に「検索エンジンとしての市場支配力を濫用し、競合他社を降格した。同社の行為はEUの独禁法に違反する。競合の機会を奪っただけでなく、最も重要なのは、欧州の消費者の選択肢を否定したことだ」と語った。
EUはGoogleに対し、制裁金の支払いとともに90日以内に違法行為を停止するよう命じた。Googleがこれらを期日内に実践しなかった場合、親会社であるAlphabetの1日当たりの世界での平均売上高の5%(約1400万ドル)を追徴する。
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