大手携帯電話事業者が、携帯電話回線の解約後も「キャリアメール」を継続して利用できる“持ち運び”サービスを発表しました。これを使うと、携帯電話事業者(キャリア)を乗り換えても同じメールアドレスを使い続けられます。ドコモなら「ahamo(アハモ)」、auなら「UQ mobile」や「povo(ポヴォ)」、ソフトバンク/Y!mobileなら「LINEMO」へのブランド変更時もメールアドレスを継続利用できます。
この記事では、auが提供する「auメール持ち運び」に焦点を絞り、サービスの概要と気を付けるべきポイントを解説します。
この記事における「キャリアメール」は、キャリアが提供する電子メール(Eメール)サービスのことを指します。
auメール持ち運びはauの携帯電話サービスを解約した後も「auメール」で使われている「@ezweb.ne.jp」「@au.com」アドレスのメールを使い続けられるサービスで、月額330円で提供されます。
従来、キャリアを乗り換えることは、長年使ってきたキャリアメールのアドレスを失うことを意味してきました。総務省などの調査によると、このことによってキャリアの乗り換えをためらう人が少なからずいるようです。新たに登場した持ち運びサービスを利用すれば、キャリアを乗り換えても引き続きメールアドレスを維持できるようになるため、MNPが活性化するのではないかと期待されています。
auメール持ち運びは、12月2日以降にauの携帯電話サービス(回線)を解約(MNPによる自動解約を含む)、またはUQ mobile/povoにブランド変更した個人名義の契約を対象に提供されます。申し込めるタイミングは、auの携帯電話サービスの解約、またはブランド変更が成立してから31日以内で、事前に回線契約とひも付いた「au ID」を用意しておく必要があります。
申し込みは(元)契約者向けのWebサイト「My au」から行えます。店頭や電話では受け付けていません。申し込み時に解約前の携帯電話番号とひも付いたau IDが必要なので、確認
電話番号をau IDとして利用していた場合、解約後のau IDは「電話番号_解約日(西暦を含む8桁)」に変更されます。電話番号が「090XXXXYYYY」だったau携帯電話を2021年12月1日に解約した場合の例は以下の通りです。
au IDを電話番号以外のものに変更していた場合は解約後もそのままとなります。変更したau IDでログインしてください。
au IDは、別の au IDと「統合」することができます。auメール持ち運びサービスとau IDの統合については、以下の注意点があります。
サービスを契約する前にau IDを統合した場合は、統合先のau IDを使ってサービスを申し込めます。ただし、統合先のau IDで申し込めるサービスの上限契約数は「10件」となります。それを超える申し込みはできません。
auメール持ち運びの契約は、統合先のau IDに引き継ぐことができません。サービスの利用を継続したい場合は、元のau IDで利用してください。
auメール持ち運びで維持したメールアドレスはどのように使えばいいのでしょうか。使う端末によって状況が異なりますので、分けて紹介します。
2017年秋冬モデル以降のauスマートフォン/タブレットと、それ以前のAndroid 9以降にバージョンアップできる一部のauスマートフォン(※1)では「auメールアプリ」をそのまま使えます。ただし、アプリの「バージョン07.00.4」以降にアップデートしてください。
(※1)Galaxy S8+ SCV35、Galaxy S8 SCV36、AQUOS R SHV39、HTC U11 HTV33
他社が発売したAndroidスマホ/タブレット(SIMロックフリーモデルを含む)でも、Android 9以降を搭載する機種ならauメールアプリを利用可能です。
非対応機種(現時点でauメールアプリに対応していない機種を含む)で利用する場合、あるいは2つ以上のメールアドレスを利用する場合はIMAPプロトコルに対応する電子メールアプリで送受信を行ってください。Androidスマホ/タブレットにプリインストールされている「Gmailアプリ」もIMAPプロトコルに対応しています。
iPhoneやiPadでは、iOS/iPadOS標準の「メールアプリ」で送受信できます。サービスの申し込み時に設定に必要な情報(構成プロファイル)をダウンロードすれば、セットアップも簡単になります。
2つ以上のメールアドレスを利用する場合、2つ目以降のアドレスは手動設定してください。他のIMAPプロトコル対応の電子メールアプリも使えますが、プロファイルによる自動設定には対応しません。
auメール持ち運びは、メールアドレスを維持したいがゆえにUQ mobile、povoや他キャリアに移行できなかったユーザーには“福音”といえます。一方で、無視できない注意点も複数あります。主な注意点を以下に列挙します。
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