11月26日、高級家電で知られるバルミューダが初めてのスマートフォン「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」を発売しました。自社のオンラインショップやブランドショップの他、オンラインショップを含む全国のソフトバンク取扱店でも販売されています。
同社の寺尾玄社長が「現在のスマートフォンがあまりにも画一的になっている」「今のスマートフォンが大きすぎる」と考えたことから開発を思い立ったというBALMUDA Phoneですが、そのコンセプトも手伝ってか、SNSではさまざまな“反応”が見受けられました。
しかし実際の所、BALMUDA Phoneはどのようなスマホなのでしょうか。iPhoneや他のAndroidスマホとの違いを意識しつつチェックしていきましょう。
先述の通り、BALMUDA Phoneはバルミューダの寺尾社長がここ数年のスマホに対して抱いていた問題意識から着想を得て開発されました。ボディーデザインやオリジナルアプリの開発は同社が自ら手がける一方で、本体(ハードウェア)の設計や製造は京セラが担当しています。
iPhoneや他のAndroidスマホとの違いを知る際に、注目すべきポイントは大きく2つあります。
端的にいうと、バルミューダはiPhoneが他のスマホのボディーやソフトウェアのデザインに多かれ少なかれ影響を与えていると考えています。その状況に変化をもたらしたいと考えた結果、BALMUDA Phoneが生まれました。
その特徴が直線を排除したコンパクトなボディーです。
同社が直線を含まない唯一の5Gスマホとアピールするように、iPhoneや他のAndroidスマホと比べるとボディーは丸みや曲線を強調するようなデザインとなっています。寸法は約69(幅)×123(高さ)×13.7(厚さ)mmと、最厚部は少し厚めですが片手で操作しやすいサイズを実現しています。
「スマホは薄い方がいい」と思う人もいるかもしれません。しかし、ボディーにある程度の厚みを持たせると、手に持った際の安定感が増します。少し厚めなボディーには意味があるのです。
Androidスマホは、その名の通り「Android」というOSを採用しています。OSとしてのAndroidの開発を主導しているGoogleは、同OS向けの「基本アプリ」も幾つか開発しています。この基本アプリは、スマホを開発するメーカーの裁量である程度はメーカーオリジナルのものに差し替えることも可能です。
この仕組みはAndroidスマホの“個性”を担保する上で大きなメリットをもたらす反面、同じ機能のアプリであっても、メーカーや機種によって使い勝手に差が出てしまいうるというデメリットもあります。メーカーの視点に立つと、独自アプリの開発にはコストも掛かります。
そのこともあり、メーカーによって程度の差はありますが、最近はGoogleの基本アプリを積極的に採用するAndroidスマホが増えました。そのため、最近のAndroidスマホは“中身”の画一化がある程度進んだことも事実です。
それに対して、BALMUDA Phoneでは、スマホを“道具”として活用する観点から幾つかの基本アプリを独自開発したものに差し替えています。具体的には、以下の基本アプリがオリジナルになっています。
BALMUDA Phoneのオリジナル基本アプリは、日本のスマホユーザーが便利と思える機能を盛り込んだり、使い勝手においてGoogleの基本アプリでは物足りない部分をしっかりカバーしたりと、よく作り込まれています。「基本アプリこそ重要だ」と考える人にはぜひ試してみてほしいポイントです。
BALMUDA Phoneのメリットは、何より手になじむことにあります。
先述の通り、BALMUDA Phoneはコンパクトで直線部分を排除したデザインが特徴です。あえて厚みを持たせたボディーと相まって、特にスマホを片手で操作したい人にとって、これほど理想的なスマホはないというレベルでよくできています。
スマホを机に置く際に、画面側を伏せることが前提であることもメリットといえます。これは「(スマホを)使っているわれわれはスマートになっていない。虜になったかのように画面ばかり見ている」というバルミューダの寺尾社長の課題意識が反映されたポイント。要するにスマホを使わない時はあえて画面を“見せない”デザインとすることで、スマホにとらわれすぎないようにしているのです。
画面側を伏せて置くことを考慮して、BALMUDA Phoneでは指紋センサーを兼ねる電源スイッチをあえて背面に配置しています。背面には通知用のLEDランプも備えているので、画面が見られなくても通知が来ていることはチェック可能です。
一方、BALMUDA Phoneにもデメリットはあります。その多くは、価格とスペックの“バランス”に集約されます。
まず、BALMUDA Phoneの主なスペックをチェックしてみます。
BALMUDA PhoneのスペックはAndroidスマホの中ではミドルレンジの上位(ミドルハイ)に相当します。同等スペックのモデルの税込み実売価格は4〜6万円程度なのに対して、BALMUDA Phoneの価格は10万円超です。端的にいうとスペックの割に高価格なのです。
実物を見て触れると、BALMUDA Phoneの価格の理由も理解できる一方で、同じお金を払えばスペックの高いスマホも選択肢に入ることも事実です。バルミューダのブランドショップや一部を除くソフトバンク取扱店で実機に触って、自分に合うかどうかをしっかり確認することをおすすめします。
BALMUDA Phoneには、バルミューダが販売する「SIMフリーモデル(BALMUDA Phone X01A)」と、ソフトバンクが販売する「ソフトバンクモデル(BALMUDA Phone A101BM)」の2モデルが存在します。ソフトバンク版固有の要素は以下の通りです。
その他の仕様は、SIMフリーモデルとソフトバンクモデルで差異はありません(参考リンク)。ただし、税込み販売価格は以下の通り異なります。
ソフトバンクモデルの方が単純な価格は高いですが、入手できる場所が多いことや、無金利の分割払いを利用できることなど、購入面でのメリットもあります。
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