|
CEDEC:サイバーコネクトツーのメディアミックス論
|
|
2004年9月9日 |
「CEDEC 2004」3日目の最終日,サイバーコネクトツーの代表取締役社長の松山洋氏のセッション「メディアミックスとゲーム制作の有効な関係」が行われた。
サイバーコネクトツーといえば,代表作「.hack//シリーズ」「NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー」などで有名な九州博多の開発会社だ。
セッションではまず,大規模なメディアミックスとなった「.hack//シリーズ」の概要を紹介。画像にあるように,ゲーム・OVAを中心にTVアニメ,コミック,小説,モバイルと広がりを見せる。
松山氏によると,メディアミックスは最初から考えていたわけではなく,販売元のバンダイと“よりゲームを売る”為には何をしたらよいか考え続けた末,おもちゃ,映像などと,横に広いバンダイの強みを利用することにしたという。
具体的には,バンダイビジュアルでの繋がりを利用し,脚本を“パトレイバー”などで世界的にも著名な伊藤和典氏,キャラクターデザインに“エヴァンゲリオン”などの貞本義行氏を起用。ただし,その起用までには涙なしでは語れない苦労があったそうで……。
2001年1月に,OVAと全4巻という構成が決定,8月には半年後の開始となるテレビアニメ化,そしてコミック化,小説化と次々決まっていった。
数字的な結果として,「.hack//シリーズ」は現在の全世界トータルで160万本以上セールス,OVA,コミック,小説でも成功を収めている。
松山氏は結論として「メディアミックスは,成功報酬ロイヤリティも発生しますが,これは微々たる物です。主目的はあくまで,1人でも多くのユーザーに見てもらい,最終的にゲームを買ってもらうために行うのです。」と,まとめていた。
外部を利用することで,1社ではできないような広がりを展開,ゲーム自体の幅を広げるとともに,ブランド的な力も利用していくやり方は,ゲーム開発以外にも通用する考え方ではないだろうか。
また,同社の社内体制やシステムの紹介もあった。スリーマンセルでチームを組むトライファクター構造。定時を9時から18時までとして泊まりを禁止,社内コミュニケーションを重視。アイデアコンペ……などは,同社の強さを支える根本なのだろう。
最後に,9月25日に東京で行われるサイバーコネクトツーの会社説明会の案内があった。告知チラシによると“Project GU”というRPG開発が始まっているとのことだ。松山氏は質疑応答で,「.hack//以上の大規模プロジェクトを,今進めています。」と,語っていたので関係があるかも?興味のある人はサイバーコネクトツーホームページでエントリーできるので確認してみよう。
[H_B, SOFTBANK GAMES]
|