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MRTGの設定と起動
 MRTGのインストールが終わったならば,MRTGの設定をする。

 MRTGで出力されるファイルは,統計をとりたい分野ごとに,GIF形式またはPNG形式の画像ファイルとそれを含むHTMLファイルとで構成される。


画像ファイルの形式は,MRTGのコンパイルオプションならびにインストールされているgdライブラリのバージョンに依存する。gdライブラリは,ライセンスの関係上,バージョン1.6以降ではGIF形式をサポートしなくなった。そのためgdライブラリのバージョンが1.6以降であれば,PNG形式となる。

 これらのファイルは1つのディレクトリに配置されるので,まず,これらのファイルを格納するディレクトリを用意する。ここでは,仮に/usr/local/mrtg-2/dataというディレクトリを作ることにする。

# mkdir /usr/local/mrtg-2/data


HTMLファイルは,Webブラウザなどで参照することになる。ApacheなどのWebサーバーが動作しているのであれば,Apacheから参照できるディレクトリの配下にディレクトリを作成するとよいだろう(たとえば/usr/local/apache/htdocs/mrtgdataディレクトリなど)。しかしその場合,Apacheの設定で適切な権限の設定をしないと,インターネットからSNMPの情報を第三者に見られてしまう可能性があるので注意したい。


MRTGの実行にはroot権限は必ずしも必要というわけではない。もしユーザーのホームディレクトリ(/home/ユーザー名など)以下にMRTGの結果を保存するのであれば,rootユーザーではなく一般ユーザーで作業してもよい。

 データ保存先のディレクトリを作ったならば,次に設定ファイルを作る。設定ファイルをいちから作ってもよいのだが,それは面倒だ。そこで,MRTGにはcfgmakerというプログラムが用意されていて,それを使うとMRTGの設定ファイルを自動的に作成できる。cfgmakerは,次のように実行する。

/usr/local/mrtg-2/bin/cfgmaker コミュニティ名@SNMPエージェントのIPアドレス

 そうすると設定ファイルが標準出力に書き出されるので,通常はそれをリダイレクトする。たとえば,コミュニティ名がpublicで,データを参照したいSNMPエージェントのIPアドレスが192.168.0.33である場合,設定ファイルを/usr/local/mrtg-2/data/mrtg.cfgというファイル名として書き出すには,次のようにする。

# /usr/local/mrtg-2/bin/cfgmaker public@192.168.0.33 > /usr/local/mrtg-2/data/mrtg.cfg

 プログラムの実行が完了すれば,/usr/local/mrtg-2/data/mrtg.cfgファイルが作られるはずだ。以下,このようにしてできたmrtg.cfgファイルをcfgファイルと称す。

cfgファイルの設定

 cfgファイルにはいくつかの設定項目があるが,必ず設定しなければならないのは,WorkDirの設定だ。

 WorkDirには,MRTGを実行したときに画像ファイルやHTMLファイルなどを書き出すディレクトリを指定する。今回は,/usr/local/mrtg-2/dataディレクトリにそれらを書き出そうと思うので,cfgファイル(/usr/local/mrtg-2/data/mrtg.cfgファイル)の先頭に,次のような文を挿入する。

WorkDir: /usr/local/mrtg-2/data

 以上で,とりあえずの設定は完了だ。

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