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作業の手始めとして,RP-PPPoEをインストールし,ADSLプロバイダの環境に合わせた設定をする方法を解説しよう。
●RP-PPPoEのインストール
RP-PPPoEは,Red Hat系のLinuxのRPMパッケージが提供されている。これを使用すればインストールが簡単にすむだろう。
RP-PPPoEのサイト(http://www.roaringpenguin.com/pppoe/)には,rp-pppoe-3.0-1.i386.rpmというファイルがあるのでダウンロードをする。
次にrootでログインをして,rpmコマンドを使ってインストールしよう。手順は次の通りだ。
$ su
Password: rootユーザーのパスワードを入力する
# rpm -i rp-pppoe-3.0-1.i386.rpm
# exit |
RP-PPPoEは,pppdのバージョン2.3.10以降がインストールされていないと正しく動作しない(ただし,pppdがデーモンとして起動している必要はなくインストールされていればよい)。Red Hat Linux 6.2には,pppdのバージョン2.3.11がインストールされているので問題はない。 |
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Red Hat Linux以外のディストリビューションを使っているのであれば,同ページにあるrp-pppoe-3.0.tar.gzファイルをダウンロードし,tarコマンドで展開後,make installすることになる。しかしその方法は本稿では割愛する。 |
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rp-pppoe-3.0-1.i386.rpmをインストールすると,Table 1に示すファイルがインストールされる。
Table 1■rp-pppoe-3.0-1.i386.rpmに含まれているファイル
インストール先のパス |
ファイル名 |
用途 |
/etc/ppp/ |
firewall-masq |
ファイアウォールタイプにMASQUERADEを選択したときに実行されるパケットフィルタなどを定義したファイル |
/etc/ppp/ |
firewall-standalone |
ファイアウォールタイプにSTANDALONEを選択したときに実行されるパケットフィルタなどを定義したファイル |
/etc/ppp/plugins/ |
README |
プラグイン機能に関するドキュメント |
/etc/rc.d/init.d/ |
adsl |
起動時に自動的にADSL回線を使ってインターネットに接続するためのスクリプト |
/usr/sbin/ |
adsl-connect |
ADSL回線を使ってインターネットに接続するスクリプト。内部でpppoeコマンドを実行している |
/usr/sbin/ |
adsl-setup |
PPPoEクライアントの設定をするプログラム。このプログラムを実行すると,PPPoEの設定ファイルである/etc/ppp/pppoe.confファイルが作られる |
/usr/sbin/ |
adsl-start |
ADSL回線を使ってインターネットへの接続を開始するプログラム。内部でadsl-connectコマンドを実行している |
/usr/sbin/ |
adsl-status |
ADSL回線(PPPインタフェース)の状態を見るスクリプト |
/usr/sbin/ |
adsl-stop |
ADSL回線による接続を切断するプログラム |
/usr/sbin/ |
pppoe |
PPPoEクライアント本体 |
/usr/sbin/ |
pppoe-relay |
PPPoEの要求を別のネットワークカードに転送するプログラム。PPPoEサーバを構築したりファイアウォール内にPPPoE要求を転送したりするときに用いる |
/usr/sbin/ |
pppoe-server |
PPPoEサーバ本体 |
/usr/sbin/ |
pppoe-sniff |
PPPoEで流れるパケットを見るためのプログラム |
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※上記の表ではman関係やdoc関係は省いた。全ファイルの一覧は,“rpm -qlp rp-pppoe-3.0-1.i386.rpm”とすると表示できる。