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Linuxマシン起動時に自動接続させたい
 前述したadsl-startコマンドを使った接続手段は手動で行う形態である。サーバ用途として利用するのであれば,マシンの再起動後でも特にコマンドを実行させることなく自動的に回線接続させたいと思うだろう。そのような希望にも添うよう設定することが可能だ。

 サーバの起動時に自動的に接続したいのであれば,rootユーザーとしてログインし,ntsysvコマンドを実行する。表示される[adsl]という項目に合わせて「スペース」キーを押して,[*]マークを表示させる。これによりPPPoEのデーモンが自動起動設定になって,次回サーバを起動した場合にでも,自動的に回線接続されるようになる(Fig.3)。

$ su
Password: rootユーザーのパスワードを入力する
#/usr/sbin/ntsysv

Fig.3 ntsysvコマンドによる起動時の設定
fig03

COLUMN:ADSLプロバイダ側から強制切断されないようにする

 プロバイダによっては,無通信時間がある程度続くと,強制的に回線を切断するような設定をサーバ側でしている場合がある。しかしRP-PPPoEのadsl-startコマンドを使って接続した場合には,回線が強制的に切断されても,インターネット側にパケットを送信する必要があるときに自動的に再接続されるので,ほとんどの場合問題となることはないだろう。もしも回線切断自体を防ぎたい場合には,DNSサーバへ定期的にpingを行うなどの措置が必要となる。しかし,無用なパケットを飛ばすことになるため十分に検討した上で行ってほしい。

 再接続によって問題となるのは,固定IPによるサービスでない場合,割り当てられるIPアドレスが変更されることがあることだ。そのため,とくに外部にサーバを公開する場合には,強制切断が問題となることがある。

 ping以外にも目的を持った定期的なパケットの飛ばし方もある。たとえば,xntpdntpdという時刻同期デーモンを使って,サーバの時刻を同期させるという方法が挙げられる。xntpdは,一定時間ごとにインターネット上のタイムサーバと通信し,自分のサーバの内部時計を修正させることができるものだ。つまり一定時間ごとにタイムサーバーとの通信が発生するので,xntpdを動作させておけば,長い間無通信になってしまうことがなくなる。xntpdを実行しておけば,サーバの時刻を標準時に合わせることができる上に無通信状態にならないから強制切断を防ぐこともでき,まさに一石二鳥だ。


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