ADSL接続が完了したならば,ppp0(より正確には/dev/ppp0)というインターフェイスデバイスができているはずだ。これがADSL接続との接点となるインターフェイスだ。ppp0インターフェイスの設定状況は,次のようにadsl-statusコマンドを利用すると確認することができる。
$ /usr/sbin/adsl-status adsl-status: Link is up and running on interface ppp0 ppp0 Link encap:Point-to-Point Protocol inet addr:xxx.xxx.xxx.xxx P-t-P:yyy.yyy.yyy.yyy Mask:255.255.255.255 UP POINTOPOINT RUNNING NOARP MULTICAST MTU:1454 Metric:1 RX packets:1362 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX packets:1186 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 collisions:0 txqueuelen:10 ※xxx.xxx.xxx.xxx,yyy.yyy.yyy.yyyのところには実際のIPアドレスが表示される。 |
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adsl-statusコマンドで表示される項目のうち,inet addrという項目が自分のサーバに割り当てられたIPアドレス,P-t-Pという項目が,ADSLプロバイダ側のADSLモデムのIPアドレスである。
よってたとえばこのサーバにApacheなどのhttpサーバが動作しているのであれば,インターネット上から“http://xxx.xxx.xxx.xxx/”として,参照することができる(xxx.xxx.xxx.xxx は,inet addrの個所に表示されているIPアドレス)。つまり,このinet addrという項目に表示されるIPアドレスを通じて,外部にサーバ公開することができるのだ。
これで正しく接続されているはずだが,念のために接続状態を次の方法で調べておくと確実だ。まずは,P-t-Pの項目に表示されているADSLプロバイダ側のADSLモデムに対してpingコマンドを実行する。
$ ping yyy.yyy.yyy.yyy ※yyy.yyy.yyy.yyyはP-t-Pの項目に表示されているIPアドレス。 |
このとき次のように表示されれば問題はない。
PING yyy.yyy.yyy.yyy (yyy.yyy.yyy.yyy) from xxx.xxx.xxx.xxx : 56(84) bytes of data. 64 bytes from yyy.yyy.yyy.yyy: icmp_seq=0 ttl=255 time=58.2 ms 64 bytes from yyy.yyy.yyy.yyy: icmp_seq=1 ttl=255 time=59.3 ms ※xxx.xxx.xxx.xxxは自分のサーバに割り当てられたIPアドレス。yyy.yyy.yyy.yyyはADSLプロバイダ側のADSLモデムのIPアドレス。 ※以下,このままの状態では永遠にpingが続くので,適当なところで[CTRL]キーを押しながら[C]キーを押して止めよう。timeとして表示される数値は応答時間を示すものであり,表示される数値は環境により異なる。 |
次に,例としてwww.zdnet.co.jpなど適当なWebサイトに向かってpingコマンドを実行してみよう。
$ping www.zdnet.co.jp PING www.zdnet.co.jp (210.155.143.70) from xxx.xxx.xxx.xxx : 56(84) bytes of data. 64 bytes from 210.155.143.70: icmp_seq=0 ttl=41 time=77.9 ms 64 bytes from 210.155.143.70: icmp_seq=1 ttl=41 time=60.9 ms ※xxx.xxx.xxx.xxxは自分のサーバーに割り当てられたIPアドレス。 ※以下永遠に続くので,適当なところで[CTRL]キーを押しながら[C]キーを押して止める。timeとして表示される数値は応答時間を示すものであり,表示される数値は環境により異なる。 |
もし,ADSLプロバイダ側のADSLモデムへのpingは問題ないが,WebサイトなどIPアドレスではなくドメイン名で指定したときに,次のようなメッセージが表示されてしまうのであれば,DNSサーバの設定が間違っている可能性がある。
ping: unknown host www.zdnet.co.jp |
この場合には,/etc/pppディレクトリにあるpppoe.confファイルをviエディタなどで読み込んで,DNSTYPE,DNS1,DNS2の各項目が正しいかどうかを確認してほしい。
切断する
常時稼動させておくサーバを構築するとしても,回線の切断手段も知っておきたい。回線を切断するには,rootユーザーとしてログインし,adsl-stopコマンドを実行する。
$ su Password: rootユーザーのパスワードを入力する # /usr/sbin/adsl-stop |
これで,次のメッセージが表示された直後に回線切断される。
Killing pppd (29688) Killing adsl-connect (29654) ※カッコ内はプロセスIDなので環境により異なる。 |
ADSL回線の接続が切断されると,ppp0インターフェイスデバイスは無くなる。切断後に再び接続したくなったならば,再度adsl-startコマンドを実行すればよい。
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