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Chapter 2:Windows NT 4.0のTCP/IPサービス 〜WINSとDHCP〜
2.1 WINS(Windows Internet Name Service)とは |
WINSとは,NetBIOSのネームサーバーの機能を備えたサービスである。NetBIOSのネームサーバー機能は,RFC1001とRFC1002で提唱されており,Windows NTのWINSサービスはRFCで提唱されているNetBIOS Name Serverにレプリケーション機能を追加して実装されている。
WINSサーバーは,クライアントからの名前照会要求に答えるため,NetBIOS名とIPアドレス,有効期限などを登録したデータベースを備えている。クライアントがWINSサーバーに名前照会要求を送信すると,WINSサーバーは自分自身のデータベースを参照し,回答する。なお,WINSサーバーとクライアントとのあいだで交わされるデータの送受信は,UDPの137番ポートが利用される。
WINSを導入することにより,次のような利点がある。
- 管理の集中化
- WINSでは,LMHOSTSファイルのようにNetBIOS名を各サーバーに配置されたファイルで管理するわけではない。WINSを導入することで,NetBIOS名とIPアドレスの対応をサーバー側で集中管理することができる。
- ブロードキャストの低減
- WINSが導入されていない場合,名前解決はブロードキャストを利用して実現される。WINSを導入すると,名前解決のためにブロードキャストする必要がなくなるため,ローカルネットワークの負荷は低減される。
- DHCPを利用した環境への対応
- LMHOSTSファイルは静的なファイルなので,DHCPを利用してIPアドレスを動的に割り当てるような環境には対応できない。WINSは,NetBIOS名を動的に登録および管理するため,DHCP環境にも対応することができる。
- WAN環境の名前解決とブラウジングの改善
- ブロードキャストを用いるのではなく,WINSサーバーに名前解決を依頼するため,WAN環境であっても,LMHOSTSファイルを使用することなく,名前解決やブラウジングを実現できる。
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