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Chapter 2:Windows NT 4.0のTCP/IPサービス 〜WINSとDHCP〜

2.2.3 NetBIOS名の更新

 WINSクライアントは,起動時に登録したNetBIOS名を使用し続ける限り,定期的に自分の名前を更新しなければならない。なぜなら,WINSデータベースには有効期限が存在するからである。有効期限は,WINSサーバーの「書き換え間隔」パラメーターで指定される。つまり,WINSクライアントは,そのNetBIOS名の有効期限が切れるまえに,自分の名前を更新することで,有効期限を延長する必要があるのである。

 Windows NTの場合,有効期限が4日であれば,その半分にあたる2日の時点でNetBIOS名を更新する。

 Windows 95やWindows 98の場合は,レジストリの次のキーで明示的に更新頻度を設定する必要がある。更新頻度を登録するときには,DWORD型で秒数を指定する。デフォルトでは16分になっている。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\
Services\VxD\MSTCP\InitialRefreshT.O.]

2.2.4 NetBIOS名の解放

 通常,クライアントはシャットダウンするときに,NetBIOS名の解放を要求するパケットを送出する。このパケットをWINSサーバーが受信すると,そのNetBIOS名のレコードはRELEASED状態となる。しかし,WINSクライアントが正常にシャットダウンできなかったなどの理由により,NetBIOS名の解放を要求するパケットが送出されないこともある。この場合,レコードの有効期限が切れるまで,WINSサーバーはそのNetBIOS名のレコードをACTIVE状態で維持し続けることになる。有効期限に達すると,そのNetBIOS名のレコードはRELEASED状態となり,やがて削除される。

COLUMN:WINS Proxy

 WINSを使用できないクライアントのために,WINS Proxyという機能が用意されている。WINS Proxyは,WINSを使用できないクライアントの替わりに,WINSサーバーに対して名前照会要求を送出するものである。WINSを使用できないコンピュータは,名前解決のためにブロードキャストを利用する。WINS Proxyが有効に設定されているコンピュータは,名前解決用のブロードキャストパケットを受信すると,WINSサーバーに対して代理で名前解決を照会する。WINSサーバーから応答があると,ブロードキャストしたクライアントに対して回答する。これにより,WINSに対応していないクライアントが存在している場合でも,WINSサーバーを導入することができるようになる。

 WINS Proxyは,WINSサーバーに対応していないコンピュータと同一サブネット上に存在していなければならない。Windows 95,Windows 98,Windows NTであれば,WINS Proxyになることができる。Windows NT 3.51以前ではGUIで設定することができたものの,Windows 95やWindows 98,Windows NT 4.0,Windows 2000ではレジストリを変更する必要がある。

Windows NT 4.0やWindows 2000の場合
[HKEY_LOCAL_MACHINE\System
\CurrentControlSet\
Services\Netbt\Parameters\EnableProxy]にREG_DWORD型で1を設定する。
Windows 95やWindows 98の場合
[HKEY_LOCAL_MACHINE\System
\CurrentControlSet\
Services\VxD\MSTCP\EnableProxy]にDWORD型で1を設定する。

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