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> Windows 2000 Professional インストール攻略

iconデュアルブート要件

 Windows 2000 Professionalをほかのオペレーティングシステムと共存させ,デュアルブート構成にすることもできる。しかし,ほかのオペレーティングシステムと共存させる場合には,インストールの順序やファイルシステムの選択について,十分な注意を払わなければならない。十分な知識もないまま,無闇にデュアルブート構成にしようとインストールしてしまうと,最悪の場合,もともとインストールされていたオペレーティングシステムが起動しなくなったり,必要なファイルが上書きされてしまったりするおそれもある。

 なお,ほかのオペレーティングシステムとWindows 2000 Professionalとをデュアルブート構成にする場合の注意事項については,Windows 2000 ProfessionalのCD-ROMに収録されている\SETUPTXT\PRO2.TXTファイルで詳しく説明されている。デュアルブート構成にしたい場合は,必ず参照してほしい。

iconWindows NT 4.0との共存

 Windows 2000 ProfessionalとWindows NT 4.0とを共存させ,デュアルブート構成にしたい場合,どちらか一方をFATパーティションにインストールし,もう片方をNTFSパーティションにインストールするのであれば,ほとんど問題が生じることはない(当然のことながら,この場合,FATパーティションにインストールした側ではNTFSのアクセス権など重要な機能を利用できなくなる)。

 しかし,双方をNTFSパーティションにインストールするのであれば,注意が必要である。

 Windows 2000 Professionalは,標準でNTFS5.0というファイルシステムを利用する。これに対して,Windows NT 4.0が標準でサポートしているのは,NTFS4.0である。Windows 2000 ProfessionalのインストールプログラムはNTFS4.0のパーティションを自動的にNTFS5.0にアップグレードするため,Windows NT 4.0にあらかじめService Pack 4以降を適用しておかない限り,Windows NT 4.0は起動しなくなってしまう。Windows NT 4.0のService Pack 4以降には,NTFS5.0のファイルシステムを利用するためのドライバ(NTFS.SYS)が収録されているので,Windows 2000 Professionalとデュアルブート構成にしたいときには,必ずWindows NT 4.0にService Pack 4以降を適用しておかなければならない。

  Windows NT 4.0アップデートサイト

 ただし,Windows NT 4.0にService Pack 4以降を適用したからといって,Windows NT 4.0からNTFS5.0の機能を利用できるわけではない。このため,Windows 2000 ProfessionalでNTFS5.0の機能(ファイルの暗号化やディスクのクウォータ,マウントなど)を使って作成したデータは,Windows NT 4.0から利用することはできない。

 また,Windows NT 4.0とWindows 2000 Professionalを両方ともNTFSにインストールしてデュアルブート構成にしている場合,何らかの理由でWindows NT 4.0を修復セットアップしたいとしても,Windows NT 4.0のCD-ROMに収録されているセットアッププログラムがNTFS5.0のパーティションを認識しないため,CD-ROMブートで修復セットアップすることはできない。もちろん,同じ理由により,CD-ROMブートでWindows NT 4.0をWindows NT 4.0に上書きセットアップすることもできなくなる。Windows NT 4.0を修復セットアップしたり上書きセットアップしたりする場合には,Windows NT 4.0のCD-ROMに収録されている標準のセットアッププログラムを利用するのではなく,Windows NT 4.0 Service Pack 4以降に添付されているWINNT32.EXEを用いなければならない。この方法については,Windows NT 4.0 Service Pack 4以降に収録されているReadme.txtファイルを参照してほしい。なお,Windows 2000 ProfessionalとWindows NT 4.0をデュアルブート構成にすると,Windows NT 4.0上で使用していたディスク最適化プログラムや一部のウィルスチェッカーが正常に稼動しなくなることにも注意してほしい。

 以上のような理由から,Windows NT 4.0とWindows 2000 Professionalをデュアルブート構成にする場合,両方でNTFSを採用することはできるだけ避けたほうがよい。どうしてもNTFSを採用しなければならないのであれば,必ず最初にWindows NT 4.0を導入し,Service Pack 4以降を適用したあと,Windows NT 4.0とは異なるパーティションにWindows 2000 Professionalをインストールすべきである。

 なお,Windows NT 4.0側で設定したコンピュータ名と,Windows 2000 Professional側で設定するコンピュータ名には,それぞれ異なるものを選択しなければならない。なぜなら,両者には異なるSID(Security IDentifier)が割り当てられるからである。いくら同じコンピュータで稼動させ,同じコンピュータ名を割り当てても,SIDが異なれば異なるコンピュータとして識別される。注意してほしい。

iconWindows NT 3.51との共存

 Windows NT 3.51とWindows 2000 ProfessionalのどちらかをFATパーティションにインストールし,もう片方をNTFSにインストールするのであれば,ほとんど問題が生じることはない(当然のことながら,FATパーティションにインストールした側では,NTFSのアクセス権など重要な機能を利用できなくなる)。

 しかしながら,双方をNTFSパーティションにインストールする場合には,デュアルブート構成にすることはできない。Windows NT 3.51は,Windows NT 4.0と同様に,標準でNTFS4.0をサポートしているが,NTFS5.0はサポートしていない。しかも,本稿の執筆時点では,Windows NT 3.51用にNTFS5.0のドライバが提供される予定はない。したがって,Windows NT 3.51とWindows 2000 Professionalとのデュアルブートは,双方でNTFSパーティションを利用する限り,できないものと諦めるよりほかはない。

iconWindows 98,Windows 95,MS-DOS

 Windows 98,Windows 95,MS-DOSなど,FATファイルシステムやFAT32ファイルシステムを採用しているオペレーティングシステムとWindows 2000 Professionalとをデュアルブートさせるときには,プライマリパーティションがFATファイルシステムやFAT32ファイルシステムとなるように構成し,Windows 2000 Professionalを最後にインストールすれば,まず問題が生じることはない。

 ただし,Windows 98やWindows 95でDriveSpaceやDoubleSpaceを利用してパーティションを圧縮している場合,そのパーティションはWindows 2000 Professionalからは利用できない。もし利用する必要があるならば,圧縮を解除しておく必要がある。

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