Deployment of Windows 2000 member server 5...
Webプリント
プリントサーバー機能にかかわる新機能の目玉は,IPP(Internet Printing Protocol)のサポートによる,Webプリントの実現である。Windows 2000 Serverをインストールすると,デフォルトでIISも導入される。Webプリントは,IISと連携して次のような機能を提供する。
- URLでインターネットまたはイントラネット上のプリンタにアクセスする
- IEなどのブラウザでリモートプリンタを管理する
この仕組みにより,インターネット上にプリンタのURLを公開してFAX代わりに使ったり,イントラネット内のプリンタをWebブラウザで管理したりといった運用が可能になる。
IISがインストールされていれば,Webプリントを利用するために特別な設定は必要ない。従来のWindows NTと同様の手順でプリンタをインストールすれば,自動的に次のようなURLでWebプリントを利用できるようになる。
http://Server-FQDN/printers/Printer-Share-Name/.printer
Server-FQDN:プリントサーバーのDNS名(IPアドレスでも可)
Printer-Share-Name:プリンタの共有名
Windows 2000クライアントからWebプリントを使用する際には,[プリンタの追加ウィザード]で[ネットワークプリンタ]を選ぶ。そして,[インターネットまたはイントラネット上のプリンタに接続します]オプションを選択して,上記したようなプリンタのURLを[URL]ボックスに指定すればよい。アプリケーションから印刷するときには,通常のネットワークプリンタと同様の操作で印刷することができる。
Fig.28 Webプリントを利用するプリンタの追加
本稿の執筆時点では,Webプリントを利用できるクライアントがWindows 2000に限られる点がネックであるが,この仕組みを利用することで,次のようなシステムを実現できるようになるだろう。
- FAXの代わりにWebプリントのURLを公開し,通販の注文書やサポートの依頼書などを受け付ける
- セキュリティのためにNBT(NetBIOS over TCP/IP)をブロックしているネットワークで,遠隔地のプリンタを利用する
近い将来,ほかのOSでもWebプリントのクライアント機能がサポートされれば,さらに活用の範囲も広がることだろう。
また,IISと連携したWebプリントの仕組みを利用すると,Webブラウザによるプリンタの集中管理も実現できる。
Windows 2000 Serverでは,IISの[既定のサイト]のなかに自動的に[printers]サイトが構成され,このサイトに格納されたASPスクリプトがインストールされているプリンタの情報を自動的に読み取ってプリンタを管理するためのページを構成する。このページにアクセスすることで,プリンタの状態をチェックしたり,プリントアウトを一時停止または再開させたり,ドキュメントを削除したりといった管理が可能になる。
Fig.29 プリンタの一覧(クリックで拡大可能)
Fig.30 プリントキューの確認(クリックで拡大可能)
[printers]サイトは,プリンタをインストールしたサーバーごとに構成される。しかし,たとえばおのおののサーバー上にある[printers]サイトへのリンクを簡単なHTMLファイルとして作成し,それを手近なサーバー上に配置しておけば,プリンタの管理者は個々のプリンタのURLを意識することなく管理できるようになる。
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