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2008年04月22日 18時00分 更新

ユビキタス特区でマルチメディア放送の未来に挑む――マルチメディア放送 ビジネスフォーラム

マルチメディア放送 ビジネスフォーラムが、福岡のユビキタス特区で「マルチメディア放送」の実験を開始する。「放送」ながらテレビやラジオといった枠に縛られない、新世代放送の未来が幕を開ける。

福岡で始まる「フルバージョン」の新たな未来

 「放送と通信の融合」が叫ばれて久しい。地上デジタルテレビ放送や高速な固定/移動体通信網、インターネットを利用した動画配信サービスなどが、めざましい勢いで普及しており、放送局や通信事業者、コンテンツベンダーらも旧来の「放送」「通信」にとらわれない新たなサービス/ビジネスモデルの確立と普及を目指している。

photo エフエム東京 デジタルラジオ事業本部 藤勝之氏

 放送局、受信機メーカー、コンテンツ関係者が中心となり、デジタルラジオの実用化を加速させるために設立された「マルチメディア放送 ビジネスフォーラム」もそうした新たなサービス/ビジネスモデルを探るグループの1つだ。2011年のアナログ停波を控え、放送のデジタル化=放送と通信の融合は避けて通れない課題となって各社に立ちはだかっているが、デジタルラジオについてはKDDIの2006年冬モデル「W44S」をはじめ、対応端末が多数出荷されている。

 これまでにも、マルチメディア放送 ビジネスフォーラムは携帯/移動体端末に向けた新たな放送ビジネスモデルの研究や、東京と大阪で行われているデジタルラジオ実用化試験放送で対応携帯電話への動画配信など、さまざまな取り組みを行ってきたが、2008年秋からは福岡市のマルチメディア特区にて「フルバージョン」とも呼べる壮大な実験を開始する。

 「放送」という名前が付くと、旧来からのテレビやラジオを連想してしまうが、デジタル化が進み通信との境界線が明確なものではなくなると、どのようなビジネスが起こり得るのか。同フォーラム幹事を務める、エフエム東京 デジタルラジオ事業本部の藤勝之氏にお話を伺った。


マルチメディア放送の機は熟しつつある

――まずは「マルチメディア放送 ビジネスフォーラム」について教えてください

藤氏 そもそもは、受信機開発メーカーに対し情報を発信してゆく「メーカー情報交換会」に端を発するのですが、ただの機器・サービス開発やビジネスモデルの追求といった抽象的なものではなく、携帯/移動体通信に向けた「放送」を新しいビジネスとしてとらえるための組織として、「デジタルラジオニュービジネスフォーラム」が設立されました。

 これまでにもラジオの電波を使った音声放送以外のサービスとして「見えるラジオ」などが提供されてきました。このフォーラムも当初はデジタルラジオの3セグメント放送の普及促進を主な目的としていましたので、「デジタルラジオニュービジネスフォーラム」と銘打っていましたが、音声放送だけではない取り組みを重ねていたことから、前期より「マルチメディア放送 ビジネスフォーラム」とすることにしました。

 2011年にはアナログ停波が実施され、放送がデジタル化すれば帯域を有効利用できるようになり、より幅広いサービスが提供できるようになります。すると放送局だけでなく、多種多彩な業種の参加と協力が不可欠になります。今回の取り組みは、そうした企業間の出会いの場になればという試みでもあります。

――確かにフォーラムの参加企業を見ると、オリンパスイメージングやジェーシービー、タワーレコード、デジタルハリウッド、日本ビクター、本田技術研究所 四輪開発センター、メモリーテックなど、放送とも通信とも縁の薄いように思える企業の参加も目立ちます(2008年3月現在 全59社 62部門が参加)

藤氏 フォーラムの代表はデジタルハリウッド大学 大学院学長の杉山知之氏ですし、タワーレコード 取締役副社長の庄司明弘氏には顧問、慶應義塾大学 教授の村井純氏には特別顧問をお願いしています(役職はいずれも第3期のもの)。メーカーや学校、流通までも巻き込んだ形にしたいという考えを反映したものです。

 2005年に発足したフォーラムも、間もなく第4期に入ります(第3期は2008年4月22日まで)。さまざまな研究や検証実験を行ってきましたが、いよいよ、もっとリアルに、ビジネスへ直接結びつく動きを進めたいという意見が増えてきました。

 2006年冬に行われた、デジタルラジオ対応携帯電話の販売開始から、エフエム東京としても動画や着うたの放送波ダウンロードなどを実施してきましたが、無料のモノを配るだけでは消費者の満足が得られないという調査結果が確認できました。つまり、実際にサイフを開いてもらえるだけのコンテンツやサービスを展開しないと、実際の消費者ニーズを探れないという段階に来たのです。

 そこで、既存の枠内では実験できない技術、ビジネスモデルを先行できるユビキタス特区を利用して、実用化に即した実験を行うことに決めたのです。

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ニーズなきところにビジネスなし、ユビキタス特区で見極める

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 ユビキタス特区では、2011年に制定が予定されている「情報通信法(仮)」に準じたインフラ/編成/コンテンツの3レイヤー体系に即した実験が行われる。擬似的に、インフラはCSK-IS、編成はエフエム東京、コンテンツは各事業者や地元放送局、自治体などが担うスタイルだ。

 福岡タワーに送信機を設置し、VHFの7チャンネルを利用して最大出力180ワットで送信を行う。現在、東京と大阪で実施中のデジタルラジオ実用化試験放送と同一の周波数および仕様となっているため、既存のデジタルラジオ対応携帯電話やUSBチューナーでも受信が可能だ。

 実験ではデジタル放送波を利用してIP伝送を行う「IP over デジタル放送」や、暗号化したコンテンツを放送波で送信し鍵を通信経由で販売する「放送波ダウンロードコンテンツ課金」、地下鉄構内へのサイマル配信と緊急時駅別配信、複数方式に対応するマルチメディア放送端末の開発、車載機器向けサービスの開発などがテーマとして挙げられている。

藤氏 実用化に即したということで、インフラ/編成/コンテンツの3レイヤーそれぞれについて実験を始めることが大きな特徴です。これまで電波免許の関係で実験のできなかった放送波ダウンロード連動課金システムを運用することで、楽曲やビデオクリップの販売もできます。また、市営地下鉄の参加も決まっていますので、地下鉄構内での実験も行います。

 駅構内については平時は地上と同じ放送を流しますが、災害時の避難誘導など駅ごとに独自の内容とすることもできます。動画や多言語の放送も地上と同じく可能ですので、AEDの使い方や人工呼吸の仕方などを、データ放送を活用して動画で配信することもできます。カーナビへの地図データのダウンロードなど、車載向けサービスなども開始します。いわば、「フルバージョン」の携帯/移動体端末向けマルチメディア放送なのです。

 福岡を選んだのは、2011年まで実験が継続できる特区だからという理由もありますが、国際競争力の強化も目的です。福岡は地理上、韓国をはじめとしたアジア諸国と近く、海外からの来訪者も多い土地です。それに、コンテンツ伝送のメインがIPベースとなれば放送方式を問わなくなる可能性もあります。「放送」という既存の固定的概念に守られなくても競争力を保てるサービス/ビジネスモデルの構築が狙いなのです。

――10月には本格的な実験を開始する予定になっていますが、それだけ多彩な取り組みを行うとなると、これまで「放送」とは縁のなかった企業や団体、自治体などが参加することで、想像もできなかったサービスが生まれる可能性もありますね。

藤氏 確かに、マルチメディア放送は「放送」ではありますが、携帯コンテンツベンダーや地元商店街、流通など、これまでの「ラジオ」「テレビ」といった枠にとらわれないプレーヤーにぜひとも参加して欲しいと思っています。

 同報性や同期性という特徴を持った「放送」ですので、リアルタイムに情報を一斉配信するプッシュ型コンテンツ配信も容易ですし、決済手段も併せて実験しますので、放送受信と決済手段を同一デバイスに組み込むといったことも可能になります。そうした意味でも、さまざまな業種/業界からの参加を期待しています。

 地元放送局やモニター消費者を含めた、参加者・協力者による会合も定期的に開く予定です。そこからのフィードバックを随時取り込むことができますが、どうしても自分たちの想像力だけでは限界があります。そこで得られる“気付き”もフォーラム参加の副産物といえるでしょう。

 電波方式や伝送方式がどうなろうと、ニーズがないところにビジネスはありません。そのためのトライアルにしてもらえればと思います。何かを試したい、トライしたいという方に興味を持って頂ければ幸いです。


 「放送と通信の融合」は単なるコンテンツ送信経路の融合を意味するものではなく、両者が複数のレイヤーで融合してこそ、新たなサービスやビジネスが発生するといえる。しかし、藤氏も述べているようにニーズのないところにビジネスはない。他業種の参加も含め、いかにニーズをすくい上げ、どのようなスタイルでこれまで異質のものであった両者を融合させるかが成功の鍵を握るといっていいだろう。

 そうした意味では、実際にエンドユーザーが存在する特区という場所を利用してマルチメディア放送のさまざまな実験を展開する本フォーラムの果たす役割は大きい。同フォーラムは4月末で第3期を終了し、第4期へ突入するにあたり、現在、参加企業を募集中だ。放送/通信に直接関係する業種業界に携わる人はもちろんのこと、「新たなビジネス」「新たなサービス」を模索するすべての人々にとって目が離せない取り組みとなりそうだ。

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提供:マルチメディア放送ビジネスフォーラム
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年5月25日