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本田雅一の視点:シャープが考えるテレビの“スマート化”とは?(前編) (1/3)

「ITmedia スマートテレビ研究所 第1回シンポジウム」の席上、本田雅一氏が提案したシャープへの取材が実現した。同社は“スマートテレビ”をどう捉え、どのようなアプローチで実現しようと考えているのか。詳しく話を聞いた。

 8月1日に開催された「ITmedia スマートテレビ研究所 第1回シンポジウム」では、テレビのスマート化とはどういうことを指すのか? と、さまざまな立場から意見が交わされた。その議論を踏まえた上で、今回のイベントをサポートしたシャープに対して、”シャープが考えているスマートテレビ”について話を伺った。

 インタビューに応じてくれたのは、シャープAVシステム事業本部・液晶デジタルシステム第1事業部の宗俊昭広副事業部長、AQUOS L5シリーズのソフトウェア開発を担当したプラットフォーム開発センター・井上隆匡氏、DLNAを中心とするホームネットワーク関連を担当したプラットフォーム開発センター・山下靖典氏、そして各種ネットサービスの実装に深くかかわった次世代商品開発センターの吉川耕平氏だ。

ts_01aqtec01.jpg 左から宗俊氏、山下氏、井上氏、吉川氏。井上氏は「AQUOS Remote」の技術者の1人として参加してくれた

映像配信サービスに対応するだけではスマートではない

 今月発売された“AQUOS”のフラグシップモデル「L5シリーズ」には、DLNAを用いた映像や写真などの共有機能やスマートフォン連携が組み込まれた。また、「AQUOS City」と名付けた、テレビ向けに最適化したWebサービスを提供することで、「アクトビラ」などの各種ネットワークコンテンツに対して1カ所からアプローチできるよう設計されている。

 インターネットや家庭内LANのコンテンツを楽しめるよう工夫されているテレビ、という意味では、従来よりも一歩も二歩も進んだ製品になっていることは、公式ウェブページでの機能一覧を見るだけでも充分に感じることができるだろう。

 ところがシャープの開発陣は、L5シリーズはまだシャープの考える”スマートテレビ”を具現化したものではないと話す。「L5シリーズは、ネットワーク機能をスマートに統合することを目指した製品ですが、”シャープのスマートテレビ”を表現したものではありません。”スマートテレビ”は、これから新しく形作っていく商品だと考えています」(宗俊氏)。

ts_01aqtec03.jpg AQUOS L5シリーズを試す本田氏

 では、将来のスマートテレビはどのような機能を持つのか。シンポジウムを視聴していた方々の反応を見ていると、インターネットを経由したオンデマンドの映像配信サービスが楽しめるテレビをスマートテレビと受け取る人が多かったように思うが、単にネット動画を視聴する機能なら、AQUOSにも以前から搭載されている。

ts_01aqtec04.jpg 「単にビデオ配信サービスを楽しめるテレビがイコールスマートテレビとは、われわれも考えていません」という吉川氏

 「インターネットを通じた映像のオンデマンド配信サービスについては、実は日本は主要市場の中でもっとも遅れています。北米では、『VUDU』や『Netflix』といったサービスは当たり前ですし、テレビ放送の見逃し視聴サービスも一般的。しかし、同様のビデオ配信サービスが利用できるというだけであれば、日本でも『アクトビラ』などに対応したテレビやレコーダーがたくさんあります。われわれは、ビデオ配信サービスを楽しめるテレビがスマートテレビだとは考えていません」(吉川氏)。

 「インターネットを通じた映像配信に対応することも、スマートテレビであることの条件の1つにはなるでしょう。しかし、それだけならPCの方が便利なこともありますし、タブレット型端末の方が向いている使い方もあります。PCやタブレットでできることをテレビにそのまま持ち込むのではなく、“テレビならでは”のインターネットの使い方があると思います。多くのネットワーク機能に対応し、ネットワークを通じたコンテンツにも簡単に手が届くようにする。そのために『AQUOS City』を用意しました」。

 AQUOS L5シリーズでは、テレビの電源を入れると「スマートホーム」画面が表示される(要設定)。スマートホームは、画面を中央で2つに分け、左側にリアルタイムのテレビ放送、右側にはAQUOS Cityのトップページを配置した画面だ。情報やエンターテイメントの入り口としてテレビをとらえた時、スマートホームを通じて放送だけでなく、「アクトビラ」を始めとする各種の動画配信サービスや生活サポート情報へと分岐していく使い方を提案しているわけだ。

ts_kankyo05.jpg 「スマートホーム」画面。右側には「アクトビラ」を始めとする各種の動画配信サービスや生活サポート情報のアイコンが並ぶ

 「AQUOS Cityでは、テレビの情報とインターネットの情報……この両者を等価に扱い、フラットな情報にまとめて見せます。ユーザーのテレビ番組の楽しみ方はさまざまで、真剣にドラマを見ていることもあれば、別のことをしながらバラエティーを見ていることもあるでしょう。ある場面ではテレビに集中していても、別の場面では各種情報をまとめ、テレビの中に分かりやすくレイアウトしてほしいかもしれません。タブレットやPCを併用すれば簡単と言われるかもしれませんが、まずはテレビ側のアプローチとして、テレビを見ながら、(テレビ視聴のじゃまにならないように)情報も一覧できるよう、工夫しました」(井上氏)。

 シンポジウムの中でも、テレビは基本的に”受け身”で楽しむものだという前提を確認しながら議論が進んでいった。スマートホームの考え方は、そうした受け身でコンテンツを楽しむユーザーに対して、シンプルにテレビに向いた情報を操るためのポータルを提供するための仕掛けといえる。

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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年9月30日

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