KDDI モバイルソリューション GPS MAP
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KDDIが位置情報管理サービス「GPS MAP」を発表

KDDIが、GPSケータイを使った位置情報管理サービス「GPS MAP」を今年10月1日から開始する。今秋発売予定のCDMA2000 1x端末を使えば、PCから端末の位置情報を能動的に調べることも可能だ

 
 
他社より2歩は先を行く!:進化した位置情報提供サービス「KDDI GPS MAP」
熟成されたGPSケータイ

 GPSケータイといえばやはり「au」。もちろん他キャリアにもGPS機能を組み込んだ端末はあるが、どうも特殊用途の雰囲気が漂ってしまうのだ。かつてはiモード端末とカーナビを接続して利用する、「iナビリンク」のようなGPS指向の製品やサービスをウリにした時期もあったが、今となっては見る影もない。

 そんな中KDDIは、地道な研究や改良を重ねながらGPSケータイを推進。BREWアプリとの連携によるカーナビライクな徒歩ナビサービス「EZナビウォーク」を生み出すなど、その優位性は誰もが認めるところだろう。

 GPSケータイの進化を振り返る時、ソフトとハードの両面に着目する必要がある。いくら素晴らしいハードを開発してもアプリの使い勝手が悪ければ、それは技術者集団の自己満足にしかならない。一方で、さまざまな機能を組み込んだ膨大なサイズのアプリを開発したのでは、ハードが追いつかない。

 そこにはソフトからの厳しい要求に応えられるだけのハードが必要になるわけだ。そしてその中核をなすのが、米Qualcommが開発したアプリ言語「BREW」。BREWを装備したケータイを利用することで、auユーザーは高精度な位置情報を、簡単に素早く入手できるようになった。

位置情報で業務の効率化を狙う

 これまでコンシューマー向けサービスで成長してきたケータイ市場だが、ここまで高機能化が進むと企業が業務の効率化に役立てようと考えても不思議ではない。例えば所在地の把握による社員の行動管理などは、携帯電話を使った位置情報システムによる効率化が図れる分野だろう。

 経営者の大きな関心時の一つ「人材コストの削減」は、無駄な行動をいかに減らして作業効率を向上させるかが重要で、もちろん投資に見合う効果が期待される。そして位置情報システムを使った業務の効率化が有効なのは、営業や保守要員の手配に四苦八苦している企業や、連絡手段がないような物流の現場といえるだろう。そして「投資に見合う効果」「効率のよい人材手配」を両立させるべく開発されたビジネスソリューションが「KDDI GPS MAP」である。

 KDDI GPS MAPは、複数のGPSケータイの位置を1台のPC上でリアルタイムに把握・管理できるという、まるで「スパイ衛星」さながらの活躍を見せるサービスだ。Webブラウザを通してインターネット上の仕組みを利用するASPサービスだから、PCへのソフトのインストールは基本的に不要。そのためPC側の負荷もほとんどない。

視認性と操作性の両方に優れたPC画面のレイアウト。今どういう状況にあるかのステータス表示で、全体を一瞬にして把握できてしまう
プライバシーに配慮して「ゆるやかに管理」

 KDDI GPS MAPがスタートして1年。利用者の声や、企業での使われ方について、商品企画を担当する吉川優課長補佐に話を聞いた。

 実はKDDI GPS MAPの機能は2003年の9月末に強化されている。「利用者の声を参考にして悪いところは全部直しました」(吉川氏)。紙芝居的なラスター地図を描画の速いベクトル地図に直すなど大掛かりな改善が図られたという。

 ケータイ利用者にとって、最も気になるのは“行動管理される”側の心理的な問題だ。「開発段階から、プライバシーの問題にはかなり気を遣ってきました。例えばPC側からGPSケータイに問い合わせがあった場合、GPSケータイ側で拒否したとしても、それが拒否によるものか電源が切られているものか、あるいは圏外なのかはPC側では敢えて分からなくしています。すべてのケースで単にNGと表示されるのです」

 しかし“それならば常に拒否しておいても差し支えない”と思うのは早計。会社から電話がかかってきたら、圏外や電源が切れているのではないことは、一発でばれてしまう。つまり、決して監視されているわけではないのだが、サボりを許しているわけではないという“緩やかな管理”にとどめているのだ。

ネット経由のサービスとは思えないほど高速で動作するリニアズームは、PC上の地図の縮尺変更も思いのまま
コミュニケーションツールとしての活用

 位置情報を管理する以上、それを管理者が眺めているだけでは役に立たない。“誰がどこにいるか”“どこに人材を向かわせなければならないか”を的確に判断し、指示を出す必要がある。そこで携帯電話のメッセージ機能が役に立つ。PC側から送ったメッセージを、GPSケータイ側で開封したかどうかを知る機能も新たに追加されているから、連絡が伝わっているかどうかもきちんと把握できる。

 こうしてみると、ケータイというよりも、むしろ双方向ポケベルのようですらある。送受信するメッセージもカスタマイズ可能な定型文(20文字)のほかに、5文字の自由入力を設けるなどコミュニケーションツールとしての使い勝手も向上している。開発側の立場からもユーザーの声から「位置情報を把握するということより、メッセージを送りあうことが重要だと知ることができました」といい、改めて開発の方向性を確認することができたようだ。

 ちなみにこのメッセージ機能は、インターネット経由のEメールを利用しているのではない。電話番号を宛先として直接メッセージを送り込んでいるのだ。圏外でももちろん即座に結果が分かる。遅延のないセンタープッシュ式のメリットだ。

PC側から緊急連絡として任意のメッセージを送信することができるほか、場所の指示を選択すると地図の添付が可能

送信メッセージに対し、開封の有無、開封時間、返信メッセージなどを一覧で表示。個々のメンバーの動きが把握しやすい
“さらに”新機能が追加

 2003年の末にauからA55xxシリーズが登場したことで、KDDIGPS MAPはさらに進化した。そのひとつが、EZナビウォークで使われている音声ナビゲーション機能の採用だ。PC側からGPSケータイへ送るメッセージに地図を添付すると、指示をした場所までの自動スクロールと音声ナビゲーションが可能になる。

 この使い勝手はまさにEZナビウォークそのもの。テレビCMなどで提案されている利用シーンが、ビジネスシーンでも現実のものとなったわけだ。

 GPSケータイ側のメリットとなるもう一つの改善ポイントは、PC側で登録した顧客の住所、電話番号、その他各種情報をケータイで参照できるようになった点。いつでもすばやく情報の参照が可能。もちろん、その他に目的地を地図表示させ、ナビゲーションをさせることもできる。つまり指示待ちだけでなく、自分から積極的に動くことが可能なのだ。

行動管理の難しさを超えて

 管理者側にメリットのある機能も追加されている。1つ目がエリア入出管理機能。たとえば、とある運送会社においてトラックが半径5km以内に入った場合、事前に連絡が届けば、そのトラック用の荷物を準備し、効率的に積荷・配送が可能になる。今回のエリア入出管理機能のすごいところは、指定の範囲に入出した時のみ位置情報を送信する点で、今までのように常に数分間隔で位置情報を送信しエリアの入出管理をしないため、低コストで利用が可能。二つ目が定期位置送信間隔変更機能。位置情報を定期的に把握する場合、今からは5分間隔で位置情報を送信させるなど、管理者側で状況に応じて間隔の変更をリモートコントロールできるようにしたものだ。

 ここでもプライバシーへの配慮がなされている。この機能を許可するかどうかはGPSケータイ側に委ねられているのだ。そのほか管理者によって設定値が変更されたことを画面に表示することで「いつも監視されている」という不安感を払拭できる。こうした緩やかな管理が“管理される側”の抵抗の軽減につながる。

 位置情報提供サービスは、過去にもPHSなどで実現されていたが、まだ一般的に認知されるには至っておらず、導入にかかる経費も相当な額に上る。KDDI GPS MAPは、カスタマイズの可能なパッケージサービスとして、ケータイ1台あたり月額2000円で利用できるリーズナブルな価格設定も魅力。仮に数人しか社員がいない会社でも、この優れたサービスの導入が可能になるのである。