2017年は全36機種を発売 IIJが「格安SIMで端末数ナンバー1」を目指す理由:IIJmio meeting 19(1/3 ページ)
IIJは、「IIJmio meeting 19」で、IIJmioの端末施策を紹介。端末の調達を担当している永野秀太郎氏が2017年に取り扱った主な端末について裏話を交えながら語り、2018年の端末動向予想やIIJmioの取り組みについても触れた。
MVNOで端末ラインアップナンバー1を目指した2017年
格安スマホの注目度が上がるのと並行して、SIMロックフリー端末のラインアップが増加。MVNOで取り扱う端末の種類も増えている。しかも、数年前のローエンド〜ミッドレンジモデル一辺倒のラインアップではなく、7万〜8万円もする高額端末も加えるなど、バリエーションが豊富になってきてきた。
IIJmioも、2017年は2016年と比較して取り扱い端末が大幅に増えたという。インターネットイニシアティブ コンシューマサービス企画課で端末の調達を担当している永野秀太郎氏は「自分でもこんなに出したのか、と思うほど出していた」と振り返った。
IIJmioとして、「2017年はMVNOで端末ラインアップナンバー1を目指そう!」という目標を立てたのだが、そこに至るまでには2016年の“反省”があったという。
2016年は端末に大きく4つの特徴があったと永野氏は分析。プラスチックから高級感のあるものにデザインが大きく変わり、Huaweiの「Mate 9」に代表されるような、ヘビーユーザーでも満足いく高価格帯の端末や、他の端末とは一線を画すような、ユニークな訴求をする端末も出てきた。そして大きかったのが、シャープがSIMフリー市場に本格的に参入したことだという。
以上のことから、さまざまな価格帯の端末が出て、端末の品ぞろえそのものが増えるだろうと予想。また、製品ラインアップが増えてくると訴求が難しくなるので、何かに特化したような個性的な端末が出てくるのではないかと考えた。
一方、IIJmioを解約したユーザーの声として、「欲しい端末がない」「Mate 9が欲しい」という声が目立ったことも影響したという。「当初、IIJmioは高額の端末を販売できていなかった。中の人間としては非常に悔しかったし、何よりユーザーに申し訳ないという気持ちだった」(永野氏)という反省があった。
そこで、MVNOで端末ラインアップナンバーワンを目指すという目標ができた。結局、2017年は全36機種を発売したという。
nova liteが1年を通して人気に
春商戦は、Huaweiの「nova lite」とVAIOの「VAIO Phone A」からスタートした。上質なデザインとスペックを持ちながら2万円を切ったnova liteは「業界に衝撃を与えた端末」(永野氏)。この価格帯で勝負できる端末があまりなく、nova liteが1年を通して人気の端末となった。IIJmioとしても値段を重視し、Amazonギフト券を付けて実質価格で1万4800円という値付けをした。
各社がnova liteで春商戦を戦った中、IIJmioはVAIO Phone Aもそろえ、これが奏功した。VAIOとは、Windows版の「VAIO Phone Biz」が出た頃から付き合いがあり、VAIOから「Android端末を出したい」という相談を受けたという。
しかし、「スペックがnova liteと比べて良いわけではないし、何か秀でた機能があるわけでもないので、正直迷った。けれど、何より(VAIO Phone、VAIO Phone Bizに続く)三度目の正直という気持ちがあったので、成功させてあげたいと思った」(永野氏)
そこで「成功するには1万9800円でやる必要がある」とVAIOに無理を言って価格を設定。努力のかいがあり、爆発的な人気に。IIJmioではnova liteよりVAIO Phone Aの方がよく売れたそうだ。
夏には、2016年には取り扱っていなかったHuaweiの「P10」を扱うことになった。これは「やらなきゃいけないという目標が当初からあった」(永野氏)という。不正行為の対策や端末保証オプションに500円プランを新設するなどして準備。そして、ここでも業界最安を目指した。「メディアでIIJmioが一番安いと紹介されるように、利益度外視で販売した」(永野氏)おかげで好調な販売を記録した。
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