News 2002年10月21日 05:00 PM 更新

News Weekly Access Top10(2002年10月13日−10月19日)
キーボードに“こだわった”技術とキーボードが“要らない”技術

WPC EXPO 2002が開催された先週はアクセスもWPC関連に集中すると思いきや、意外な結果に……

News Weekly Top10 10月13日〜10月19日
1位 IBMが社運をかけた(?)新ノート〜その名は“モスキート”
2位 記録型DVDの「マルチ化」は本当に必要なのか?
3位 IBMの新PowerPC、1.8GHzで2003年登場
4位 特集:WPC EXPO 2002
5位 「みかちゃん」フォントが完成
6位 士郎正宗とカトキハジメがマウスをデザインすると……
7位 プリンタの「写真画質」を使いこなす 第1回
8位 「家族が共用できるPC」で、再び“国民機”を目指すNEC
9位 “MODファン”を泣かせるXboxの改造対策
10位 IBM、トイレの順番を決めるシステムの特許を放棄
Weekly Top10 今週のTop10には、IBM関連記事が3本ランクイン。WPC EXPO 2002が開催された先週はアクセスもWPC関連に集中すると思いきや、4位にかろうじて特集トップページがランクインしただけという少々意外な結果に終わった。Tablet PC以外にこれといった注目出展がなかったのが原因だろうが、話題を振りまく魅力的なPCが少なくなったことも少なからず影響しているようだ。

 トップを飾ったプラモデルPC“モスキート”は、魅力的なPCが減っている中で、ぜひ本物を作ってもらいたいと思う一品だ。WPCの日本IBMブースでは、展示されたモスキートを指差して担当者に商品化を懇願するマニアの姿も見られた。


WPC EXPO 2002のIBMブースに展示された“モスキート”

 ThinkPad誕生10周年記念に作られたこの“バタフライ”「ThinkPad 701C」のスケーリングモデルは、701C(247×201×44ミリ)の65%スケールというから、モバイルPCの草分け「ThinkPad 220」(226×166×32ミリ)というよりも“ウルトラマンPC”「Palm Top PC 110」(158×113×33ミリ)に近いサイズ。現行モデルでいうと、ソニーの「VAIO U」(184.5×139×30.6ミリ)といったところか。

 その小さなボディからTrackWrite(バタフライの正式名称)機構によって、ボディサイズよりも大きなキーボードが羽を広げるがごとく左右にせり出してくる。「本体の小型化」と「キーボードの打ちやすさ」という、本来は相反する特徴を兼ね備えることができるこのシステムは、現在のPCにもぜひ採用して欲しいギミックだ。

 バタフライの思想は、のちのThinkPad s30に受け継がれたが、あの優雅なTrackWrite機構自体は701C以降お蔵入りとなったまま。以前だったら、IBMが商品にできないこの手の“キワもの”を、具現化してくれたライオス・システムというメーカーがあった。日本IBMとリコーの出資で設立され、ThinkPad220のコンセプトを継承した「チャンドラ」などモバイラーのツボを押さえたノートPCをリリースしていたが、残念ながらこの会社は1999年に解散している

 今回のWPC EXPOの主役は、手書きによるペンオペレーションが特徴のTablet PC。しかし、会場に展示された7社のTablet PCのうち、キーボードを用意していない“純粋”なピュアタブレット型を紹介していたのは1社(業務向け)しかなかった。

 キーボードに徹底的にこだわったバタフライPC。それに関する記事が、キーボードが要らないTablet PCを押さえてトップを飾るとは、なんとも皮肉な結果だ。

[西坂真人, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.