News 2002年11月25日 01:29 PM 更新

新Office、3つ目のキーワードは「.NETベースのコラボレーション」(2/2)


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 こうして自動的に生成された仮想コラボレーション空間には、Webブラウザを用いてアクセスすることも可能だが、サブWebの存在を意識せずに [Shared Workspace] という作業ウィンドウを通じてアクセスできる。

 ライブアタッチメントを受け取ったユーザーは、そのリンクを開くとOfficeの該当アプリケーションで文書が開かれ、ハードディスク内の文書にアクセスするのと同じように編集・保存を行える。そしてShared Workspaceを開くと、サブWebで使えるタスク管理や文書に関連するURL、同じサブWebで管理される他文書、その文書へのアクセス権を持つユーザーのWindows Messengerによるアウェアネス表示などを行える。


ライブアタッチメントを受け取ったところ。添付ファイルを開くと添付ファイル自身ではなく、自動生成されたサブWeb内の文書ライブラリから文書を読み出す。文書内のリンク先はサブWebのホームページにリンク


ライブアタッチメント文書を開いた状態で [Shared Workspace] 作業ウィンドウを開くと、ドキュメント作業領域として自動設定されたサブWebのコンテンツにWordやExcelからアクセス可能



タスク機能で作業しなければならない事項を入力。作業のアサイン先メンバーや期限などを指定可能で、アラート機能とも連携する


ドキュメント作業領域として設定されているサブWebの文書ライブラリに、WordやExcelから直接新しい文書(もしくは別バージョン文書として)を保存できる


文書の関連URLを共有のリンクとして登録


ドキュメント作業領域として設定されているサブWebにアクセスしたり、サブWebの名称の変更や設定変更、削除などの管理機能をWordやExcelなどのOfficeアプリケーションから実行できる


先ほどの作業を一通りした後のサブWebホームページ。新規文書やタスク、参照リンクなどWordで行った一連の作業がサブWebに反映されているのがわかる


同じサブWebに参加している他ユーザーとのアウェアネス情報を表示し、リアルタイムにコミュニケーションを行う機能も提供される

 実際に利用する手順は上記の各画面を参照してほしいが、プロジェクトの起点となる文書をライブアタッチメントとして送信時にサブWebが自動作成されれば、後はサーバの存在を意識せず、Officeの機能としてすべてのサービスにアクセスできる点は非常に興味深い。

 こうしたポータルサイトは、全社や部門ごとに導入されているだけでも、仕事に追われる中でアクセスが滞るものだ。ボトムアップ型で数多くのバーチャルプロジェクトがそれぞれにポータルを持つようになると、さらに訳が分からなくなる。

 しかし、Office 11とSharePoint Team Serviceの組み合わせの場合、Officeの中からポータル情報にリーチできる。このため、細かな話題ごとにサブWebが作られても、ポータルへのアクセス、サブWebの管理がそれぞれ容易というメリットがありそうだ。

 ただ、前述したようにSTS 2.0は既存のIIS上では動作しないため、これまでよりも導入に際しての敷居は高くなっている。ユーザー管理がどのようにWindows.NET Serverと統合されているのか。また、ホスティングサービスはどのような形で提供されるのかなどが、発売までに注目される。

(注:その後、Microsoftから得た情報によると、STS2.0はXML Web Partsで構成されており、.NETフレームワークに準拠した作り方で、サービスとアプリケーションの連動を行っているという。それゆえ当然、サーバは.NET Serverであることが求められる。だが、翻って言えば、他のアプリもSTS2.0に対してOffice並みにインテグレートしたアクセスを実装することができるわけだ)



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[本田雅一, ITmedia]

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