News | 2003年11月17日 11:56 PM 更新 |
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ソニーの開発者が口をそろえていたX505のコンセプトは「薄さ」に「軽さ」。10.4インチの液晶パネルを積んで700グラム台の重量を実現するとは、最近の軽量化のペースを考えると正直言って「恐れいりました」
軽量化への執念といえば、思い出すのが松下電器産業のLet's note開発チーム。過去に彼らを取材したことがあるが、1kgを1g切るために遂行される重量コントロールの話なんぞ「Let's noteの軽量化以前に、自分の身と心を削っているでしょ」と思わせる鬼気迫る執念と苦しみが聞き手にも伝わってくるほど。
X505は、Let's note開発チームが長年にわたって挑んできた軽量化の限界を一気に700グラム台まで引き下げてしまった。だから「X505すごい。Let's note負けた」と単純な言葉でまとめてしまうわけにはいかない。
Let's noteは、常識的なコストの制約とユーザーが必要と思う機能(ネットワークやバッテリー駆動時間)を実装しつつ軽量化を追求している。それに対し、X505はコストという枠を取り払うことで長繊維カーボンを採用、加えて周辺機器の同梱という技で筐体に内蔵する機能を削減して、世界最軽量を実現した(バッテリー駆動時間も薄型化とのトレードオフになっている)。
X505では無線LANを使うためにTypeIIのPCカードを本体に差すことになるが、その状態で重量を比較するとLetsnote RシリーズとX505の差はかなり少なくなってくるだろうし、35万円を超す“Let's note REX”(記者独断仮称)なるものが許されるならば、X505から世界最軽量のタイトルを奪回できるかもしれない(最軽量タイトル争いがユーザーにとって有益なのか不毛なのかは議論の余地あり)。
このようなX505のアプローチが「掟破りの軽量化」なのか「発想の転換で実現した画期的軽量化」なのか。それは、これから市場が判断してくれるはずだ。コラムでなかなか厳しい意見を披露してくれた本田雅一氏が、開発者への取材を終えた帰り道に「エクストリームのようなノートPCを受け入れてくれる余裕があるか。これが、PC市場がこれからも面白くなるかどうかの分かれ道になるだろうね」と記者に話してくれたのが、実に印象的であった。
[長浜和也, ITmedia]
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