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» 2013年09月17日 10時00分 UPDATE

どうしてタダなの? 「不要なPC、無料で回収」の“その後”を追った

いらなくなったPCやHDD、どう処分してますか? ネットで見かける「無料回収」サービスを利用するにも、なんとなく不安を感じる人も多いはず。回収されたPCのその後を追い、処分現場に潜入してみた。

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 使わなくなったPCやHDDがほこりまみれになって家に転がっている……そんなユーザーは筆者以外にも多いはずだ。処分するにもこれらは「個人情報の塊」。簡単に捨てていいものなのか分からない。ネットで見かける「不要なPC、無料で回収します」の文言に心をひかれても、「タダより高いものはない」――そんな言葉が頭をよぎる。

 本当にタダで楽に処分できるなら願ったり叶ったりだが、セキュリティ面では問題ないのだろうか。そもそも、そうした回収業者のビジネスモデルはどうなっているのか――。誰もが一度は気になる「0円回収」の裏側に密着してみた。

「PC回収業者」のメリットは?

 訪れたのは「パソコン回収.com」を運営するアールキューブ。西武新所沢駅から2キロほどにある社屋にはひっきりなしに車が出入りし、外には大きなサーバ類が並ぶ。回収からデータ消去、分解やクリーニング、中古出品まで一貫して行う事業所内の様子を見学しながら話を聞いた。

photo 迫力を感じるほどPC類がびっしり

 そもそも、使わなくなったPCを処分するには、回収業者の利用のほか「粗大ごみとして廃棄」「中古販売店に売る」「オークションに出品」といった選択肢もある。その中で、回収業者を選ぶことにはどのようなメリットがあるのだろうか。

 まず、PCや関連機器を粗大ごみとして捨てるにはお金がかかる。2003年に施行された現行の「資源有効利用促進法」(PCリサイクル法)により、廃棄には製品分類に応じて3000〜7000円の処分費がかかるからだ。また、中古販売店などに持ち込む場合も、動かないものや破損したものは有料引き取りになるケースが多い。

 一方、回収業者であれば、動かないものや破損したものでも原則無料で引き取ってくれる。パソコン回収.comの場合は、ノートPCやデスクトップPCのほか、薄型テレビやゲーム機、電子楽器から、プリンタやスキャナ、ビデオデッキや電話、電子レンジなど幅広い機器の回収を受け付けている。直接持ち込むほか、宅配便を利用し着払いで送るだけでもOKというから簡単だ。

 まだ動くものであれば、個人が自らデータを消去してオークションなどで売る手もあるが、データの完全消去は誰もが気軽にできることではない。実際、オークションや中古販売店で売られているPCやHDDに個人情報が残っているケースは国内外で報告されている。大容量化/複雑化が進むデータ記録媒体の処分は、信頼できる業者に任せるのが得策と言えそうだ。

なぜ無料?――「裏はなくても“理由”はあります」

photo 松永康利社長

 「無料」「簡単」をうたうPC回収業者だが、「無料と言われてもやっぱり怪しい」と思う人も少なくないだろう。「いやあ、そうですよね。だと思います」――パソコン回収.comを手がけるアールキューブの松永康利社長はあっさり答える。「悪の組織ではないので“裏”はありませんが、ユーザーに安心してもらいつつ会社として利益を出す“理由”はあります」

 松永社長によると、PCの無料回収業者が利益を出す方法は2通りあるという。1つ目は中古品として販売する「リユース」、もう1つは部品や資源単位で分解して販売する「リサイクル」だ。パソコン回収.comでは、回収したマシンの古さや状態によって最適な方法を選び、自社の利益につなげているという。

 リユースでは同社直販サイトのほか、東京・中野の「中野ブロードウェイ」内など首都圏6カ所で展開する実店舗「ジャンクワールド」で中古販売を行っている。売れ筋は、高性能なグラフィックボードを積んだゲームマシンや、小規模法人向けのWindows 7搭載PCなどという。

 古すぎるモデルや経年劣化の激しいものは、筺体内部の部品から金属やプラスチックなどを摘出してリサイクルに回す。具体的には、基板やCPUなどに含まれる金、銀、銅やレアメタルなどを抽出しやすい様に細かく分別し、外部業者に販売しているという。

 中でも、金属加工技術が未熟だった時代の製品からは、高価な金属を比較的多く取り出せるケースがあるという。「『古すぎて引き取り料金がかかるのでは』と心配する人もいるかと思いますが、実はその逆。むしろ古いものは大歓迎です」と松永社長は笑う。

photo 古いレア物PCが運びこまれることも。こちらは1981年に発売された8ビットPC「NEC PC-8801」
photo 「NEC PC-8801」のコネクタ部分。中央はフロッピーディスクのもの

photo 1997年発売の「Power Macintosh G3 DT」
photo 1996年発売の「ThinkPad 535」

とはいえ気になる個人情報の取り扱い “データ消去のプロ”の手腕とは

 「無料引き取り」のカラクリが分かったところで、気になるのはサービスの安全性だ。リユースやリサイクルに当たっては必ずデータ消去を行っているとはいえ、個人情報がたくさん詰まったPCやHDDを業者に渡すのはなんとなく不安というユーザーも少なくないだろう。

 パソコン回収.comのこだわりは、PC内部の記録媒体を専門スタッフが1つ1つ手作業で取り出し、独自ソフトでデータ消去を行う点だ。他社サービスの場合はPCにHDDが入ったまま処理することもあるが、PCによってはHDDを2台搭載していたり、その他の記録媒体が筺体内に残っているケースもある。全ての記録媒体に対して漏れなくデータ消去を行うためには、1台1台目視と手作業で確認するのが譲れないという。

 また、最近のPCに多く採用されているSSDは、データ書き込み方式がHDDと異なるため、従来の方法でデータを完全消去するのは難しいと言われている。個人ではとても手が回らない領域だが、パソコン回収.comでは最新の学術研究の成果なども取り入れながらデータ消去の精度向上を図っているという。

photo 1台ずつ手作業でHDDを取り出していく。かなりのスピード
photo 取り外したHDDは1台ずつデータ削除

 安心して利用してもらうためのもう1つのこだわりは、可能な限りユーザーのもとに直接引き取りに行くことだ。首都圏(東京・神奈川東部・埼玉南部)であれば、PC1台から無料で出張回収に応じている。大事なデータが多く入ったPCやHDDを受け取るに当たり、直接顔を合わせてやりとりすることで「ユーザーの疑問や不安を解消したい」という。

 「ある意味『渡してしまえば終わり』だからこそ、ユーザーに事前に信頼してもらうことが何より大切」と松永社長。希望するユーザーに対しては、PCのデータ消去が完了したことを知らせる「データ消去証明書」も無料で発行している。

 同社が回収しているPCは月間約3万台。ユーザーの個人/法人比率は同程度で、回収台数は昨年同期と比べて1.5倍に増えたという。「最初はモニタの回収だけ依頼され、2〜3回目にノートPCの回収を依頼してもらうこともあります。『信頼してもらえたんだな』と感じて嬉しいですね」と田頭清 営業部長は話す。

 「PCはもはや誰もが使う一般的なインフラ。新機種が次から次へと登場する中、不要になったものを処分できず家に眠らせてしまっている人も多いはずです。特別な知識や技術のない普通の人にこそ、当社のようなPC回収サービスを安心して使っていただければと思っています」(松永社長)

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提供:株式会社アールキューブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2013年10月16日