「あんなきれいなイラスト、描けるようになりたい!」と思っても、上達への道はなかなか険しいもの。“初心者”から人気絵師への歩みを、「アースミュージック&エコロジー」とのコラボ作品などで活躍するちゃもーいさんに聞きました。
多くの人が憧れる「イラストレーター」というすてきな職業。「自分もこんな風に描けたら」と思っても、なかなか最初の1歩を踏み出せなかったり、ペンタブレットを買っても結局使いこなせずホコリをかぶらせてしまっている人も少なくないのでは?
とはいえ、プロの世界で活躍するイラストレーターにも“初心者”時代があったはず。彼らはどのようにして成長し、人気を得ていったのだろう。
幼い頃から絵を描き始め、現在20代前半ながら人気ファッションブランド「アースミュージック&エコロジー」とのコラボも果たした大人気絵師・ちゃもーいさんに「脱・初心者のための4カ条」を聞いてみました。
小さなころからお絵描きが大好きだったというちゃもーいさん。しかし今になって小中学生のころの作品を振り返ると「すごく下手でしたね」と恥ずかしそうに話す。
上達の手応えを感じたのは、実物を参考にしたデッサンや模写を繰り返すようになってから。“自己流”に頼らず、プロが手掛けた写真やファッション誌などをよく観察し、描きたいものについて構造から理解するよう心がけたという。
「自分なりの絵やキャラクターはなんとなく描けてしまうけれど、基礎があるとアレンジできる幅が広がります。個性は基礎をしっかりさせた上で身に付けるもので、まずは想像で絵を描かないことが大事です」
大学生になってからは、自分の描いたイラストを本格的に人に見せるようになったというちゃもーいさん。「描く人も見る人もたくさんいる場所」としてイラスト投稿サイト「pixiv」を選び、オリジナル作品やボーカロイドなどのイラストを投稿していったという。
「やっぱり、人に見られている意識があったほうが背筋を伸ばして作れるなって。自己満足で終わらせないで、なるべく最後まで描き上げてアップロードするよう心がけました。知らない誰かにコメントをもらったり、お気に入りに登録されたり……その1つ1つがモチベーションになりました。『次はこんなのを描いたら喜んでもらえるかな』って」
ちゃもーいさんが人気絵師の仲間入りをしたきっかけの1つが、ファッションブランド「アースミュージック&エコロジー」と初音ミクのコラボアイテムへのイラスト提供だ。この仕事も、Twitterで知り合った人に自分の絵を見せたことをきっかけに声をかけてもらったのだという。
「それまで自分には特に大きな実績もなかったので驚きました。すごくラッキーだったと思います。このように思いがけず次のステップにつながることもあるので、作品は恥ずかしがらず積極的に人に見せたほうがいいと思います」
アースミュージック&エコロジーと初音ミクコラボのあとは、他の仕事依頼も増えていったというちゃもーいさん。思うように描けない時間も増えたが、求められているものと自分の描きたいものを両立しつつ「常に自己ベストを出し続けること」を意識して取り組んできたという。
「ブランドのイメージに合わせて、このミクの絵で初めてパステルカラーを基調色に使ったのですが、慣れない色ばかりで何度も試行錯誤を繰り返したのを覚えています。でも『こんなものでいいかな』と妥協しないで、背伸びして新しいことに挑戦し、常に今できるベストを出し続けることが上達への一番の近道だと思います」
ちゃもーいさんの創作のインスピレーションの源は、PC内にあるフォルダ。pixivにアップされている好きな絵師のイラスト、TumblrやPinterestで見つけた海外のかわいいお菓子や建物の写真など、ネット上で見つけたお気に入りのアイテムが約2000枚もつまっている。
「まねするためというより、自分が好きなもの、テンションが上がるものに対して意識的になるためにストックしています。サムネイル画像を眺めているだけで幸せになるし、『この形や構図が好きだからアレンジして描こう』と参考にする時もあります」
「自身のイラストで一番こだわっているのは色使い」と話すように、ちゃもーいさんのイラストの特徴はカラフルさ。そんな個性も「最初からあるものではなく、自分が好きなものを追求した先に見えてきた」という。
「絵を描くのをやめたいと思ったことはないですが、PCとペンタブレットに向き合っている時はいつも辛いです。特に線画が辛い……。もうやりたくない、やる気が出ない、どうしていつの間にTwitterやpixivを開いてるんだろう、と毎回思っています(笑)。でもいったん色を塗り出せば夢中になるし、完成するとそれまでのつらい気持ちがふっ飛ぶくらいの達成感。……うん、楽しいです」
高1で初めてペンタブレットに挑戦したというちゃもーいさんは、デジタル描画の利点として(1)ショートカットやアンドゥー(やり直し)機能を使って作業時間を短縮できること、(2)ラフの段階から色を塗れること――などを挙げる。
「手描きの時は『あとでデジタルで処理すればいいや』という気持ちが多少ありましたが、完全デジタル作業にしてからは最初から本腰を入れるようになりました。常に本気で描くのは大事なことです!」
人気絵師への階段を上った今でも「まだまだ勉強したいこと、しなきゃいけないことがたくさん」と話すちゃもーいさん。あなたも明日から“絵師入門”してみませんか?
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