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2015年10月07日 10時00分 UPDATE

VMworld 2015:オフィスの常識が一変するかも? 世界最大級のクラウドイベントでデルが“こっそり”披露したもの

企業のセキュリティガバナンスや管理容易性に富んだ仮想デスクトップソリューション(VDI)。ヴイエムウェアとデルは強固なアライアンスを結び、常にVDIの最先端に位置づける製品を発表し続けている。デルがVMworld 2015で披露した最新技術を見てみよう。

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 来場者2万3000人超――クラウド関連のイベントとしては世界最大級の「VMworld 2015」がこのほど、米サンフランシスコのモスコーニセンターで開催された。

photo 会場には多くの来場者たちが訪れた

 現在、多くの企業がITインフラとしてクラウドを選択しており、プライベートクラウド環境を活用してデスクトップ仮想化(VDI)を導入する企業も増えつつある。同イベントでは、クラウド環境を構成するための仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」「VMware NSX」やストレージソフトウェア「VMware Virtual SAN」(VSAN)のさらなる進化に向けた取り組みが発表され、VDI環境を一層コスト効率よく実現するための道が示された。

 これに伴って多数のITベンダーがVDI関連の最新技術を披露する中、ひときわ存在感を放っていたのがデルのブースだ。同社は新製品のほか、公式発表していない“未発表製品”も参考出展。日本人を含む多くの来場者の注目を集めていた。

 「VMworld 2015のテーマは“Ready for Any”。つまり、あらゆるデバイス、あらゆるアプリケーションに対応する環境を、クラウドによって実現することを指しています。今年はクラウドの普及を受け、例年よりも大きな盛り上がりを感じました」という成田孝弘さん(クラウド・クライアント・コンピューティング事業部 SEマネージャ)の話をもとに、同社ブースで披露されたことを紹介しよう。

photo デルブースにも多くの来場者が訪れた(写真は日本人向けブースツアーの様子)

見た目は“ただのモニタ”だが高性能 液晶一体型シンクライアント「Wyse 5050」

 VMworld 2015でデルが参考出展した目玉製品の1つが、今後発表予定のモニタ一体型シンクライアント端末「Dell Wyse 5050 AIO PCoIP zero client for VMware」(以下、Wyse 5050)だ。

 Wyse 5050は、VDI環境の起動に必要なOS、CPU、メモリ、ネットワークなどをモニタと一体化させた“オールインワンタイプ”のゼロクライアント端末。端末内にデータを残さないというゼロクライアントの利点はそのままに、一体型なのでデスク上にケーブル類が散乱するのを防げるほか、設置や初期設定が簡単といったメリットもある。

photophoto Dell Wyse 5050 AIO。ディスプレイとシンクライアント端末が完全に一体化しているため、一見すると「ただのモニタ」にしか見えない。製品版でも「それくらいスタイリッシュな仕上がりを予定している」とのこと

 最新のVMware Horizon 6に対応し、大きな特徴としてGPU仮想化技術「vGPU」を採用している。画像転送プロトコルにはPCoIPを利用しており、ハードウェア処理により描画スピードが高速化し、物理PCを使う場合との体感差をほとんど感じにくくなっているという。

 ディスプレイサイズは24インチフルHD(1920×1080ピクセル)で、従来のWyse 5000 AIOシリーズが採用していた21.5インチよりも一回り大きくなった。台座からディスプレイ部分を外して使うこともできるため、アームなどを取り付ければ一層柔軟な使い方ができるのもポイントだ。

EVO:RAILがパワーアップして登場

 ハイパーコンバージド・インフラ製品「VMware EVO:RAIL」もいち早く実機が展示され、デルブースのVDIデモ環境のインフラとして利用されていた。先ほど紹介したWyseゼロクライアントが接続していたのは、この製品だ。

photo 上段は「EVO:RAIL Horizon Edition」(実機は今回が初展示)、下段は「PowerEdge R720」(VDI管理サーバとして利用)

 EVO:RAILは、サーバやストレージ、ネットワーク製品とサーバ仮想化ソフト(VMware vSphere)、ストレージ仮想化ソフト(VMware Virtual SAN)、運用管理ソフト(VMware vRealize Log Insight)などを2Uサイズ/4ノードのサーバハードウェアに格納したソリューションだ。クラウド環境を立ち上げるための要素が1つのハードウェアに全て収まっているのが特徴で、プライベートクラウド構築のスモールスタートを可能にするほか、後から筺体を追加するだけでITリソースを拡張できるメリットがある。その用途の1つとして、VDI環境のインフラとして用いられるケースも多いという。

 そして今回、EVO:RAILがHorizonに対応し、VSANのメリットを生かしながらVDI環境を迅速かつシンプルな操作で自動セットアップできるようになった。デルによれば、300ユーザー向けのVDI環境であれば約1時間でセットアップが完了するという。

超ハイスペックワークステーションもシンクラ/ゼロクラでリモートから利用できる

 デルブースの中でも特に注目を集めていたのが、シンクライアント/ゼロクライアント経由で利用できるラック型ワークステーション「Dell Precision Appliance for Wyse」のデモンストレーションだ。

photo Wyse 5030を用いたPrecision Applianceのデモ

 Precision Applianceは、高性能ワークステーションのマシンリソースをラックに搭載し、シンクライアント/ゼロクライアント端末に画面転送してリモートから利用できる製品。作業者のデスク周りのスペースを確保できるほか、データセンター側で機器を一括管理するため、メンテナンス性や冷却効率を高められるメリットもある。アプライアンスなので、簡単な初期設定だけで使い始められるのもメリットだ。

photo 上段は「Dell PowerEdge R730」(VDI管理サーバとして利用)、下段はDell Precision Appliance(vGPUリモートワークステーションとして利用)

 デルはIT導入をシンプルにするアプライアンス製品の販売にも力を入れている。Dell Precision Applianceは、デルのワークステーション「Dell Precision Rack 7910」の機能を拡張し、Wyseゼロクライアントと組み合わせたリモートワークステーション環境を、アプライアンス(ハード構成済み、プリインストール、自動設定ツール付き)として提供するソリューションだ。

 標準添付される自動セットアップツール「Quick Start」によって簡単に導入でき、リモートワークステーション用途として、専用GPU(GPUパススルー)方式ならばNVIDIA Quadro K4200を3枚搭載して3ユーザーまで、共有仮想GPU(vGPU)方式ならNVIDIA GRID K2Aを2枚搭載して8ユーザーまでの利用に対応する。

 さらにGPUパススルー方式では、グラフィックワークステーション用途に適したPCoIPプロトコルを3枚のTeradiciホストカード(Tera 2220)でハードウェア処理することで、画面転送性能をさらに高め、ストレスなく高速に描画できるようになっているという。

 より高度なグラフィックス性能が求められる用途に向けては、1Uサイズで4枚のGPUが搭載できる「PowerEdge C4130」も用意されている。

photo PowerEdge C4130。1Uラックの筺体にグラフィックスボードを4基搭載できる

 PowerEdge C4130について来場者が特に関心を寄せていたのは、その高い性能だ。1Uサイズ・2CPUの筺体にNVIDIAの最新グラフィックスボード「TESLA M60」「TESLA K40/K80」「GRID K1/K2」を4基搭載でき、GPU仮想化はこのサイズで最大32ユーザーまで対応するので、スペース効率と電力効率に優れている。もちろんGPU仮想化だけでなく、HPC(High-Performance Computing)など幅広い用途での利用が可能だ。

 さらに、Wyseブランドの最新OS「Wyse ThinOS 8.1」も発表された。Wyse ThinOSは、Wyseブランドの端末で利用できるシンクライアント専用OS(ファームウェア)だ。画面転送に特化した軽量のファームウェアで、起動が速く、独自OS なのでマルウェア攻撃に強い――といった特徴がある。今回発表した新バージョンでは、認証ソリューションとの連携や周辺機器サポートを強化・拡大したという。

photo Wyse ThinOS 8.1では周辺機器対応を強化し、CaradigmによるICカードリーダーの認証に対応した。ユーザーはICカードをかざすだけで自分用のVDI環境に迅速にログインできる
photo 米国で幅広く利用されているRF IDeasのICカードリーダー「pcProx」

 従来からサポートしていたImprovataに加え、今回新たにCaradigmによる認証に対応。これらの認証ソリューションは、米国内の医療機関などで幅広く利用されているという。日本国内向けにはFeliCa方式のICカードリーダーに既に対応しているとのことだ。

「Windows 10 IoT」を採用した新端末も

 Microsoftが8月に提供を始めたばかりの「Windows 10 IoT Enterprise」を採用したシンクライアント端末「Dell Wyse 7020」も参考出展されていた。

photo

 Windows 10 IoT Enterpriseは、Windows Embeddedの後継となる組み込み機器向けOS。これをシンクライアント端末に採用することで、ドライブ暗号化機能の「BitLocker」やTPM(セキュリティチップ)といったMicrosoft標準のセキュリティ機能を活用できる。また、利用中に発生した作業中のデータはOSの再起動やシャットダウンで初期化されるため、情報が一切残らないのもポイントだ。

 Wyse ThinOSではなくWindows 10 IoTを選ぶメリットとしては、ニーズに応じてさまざまなカスタマイズを施せる点が挙げられるだろう。例えば、ユーザーごとに使えるアプリケーションを限定し、ログオン後は指定のアプリケーションしか動作させない――といった設定が行える。

 このように独自OSだけではなく、企業の要件に合わせてさまざまな選択肢を用意している点も、多彩な製品ラインアップを持つデルならではの強みと言えるだろう。

photo 最大500人を収容するハンズオン会場では、クラウドやデスクトップ仮想化環境を実際に構築する体験会が行われた
photo そこでもデルのモニタとシンクライアント端末が全面的に使われていた

 デルはこれらの展示のうちいくつかを、東京・大阪で11月に開催予定の「vForum 2015」で国内においても披露する予定という。「クライアント仮想化でビジネスを強化したい」と考える企業はぜひ足を運び、最新のクラウドソリューションがもたらすメリットを実感してみてほしい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2015年11月6日