在宅勤務だと「働きすぎる」? 経営者たちが語る「働き方を変えるための“3つの視点”」VMware Conference 2016 Spring

ワークスタイル変革に対する企業の期待は大きいが、いざ始めると思わぬ障壁に悩まされるケースもある。そうした課題の解決策を探るイベントの内容をお伝えしよう。

» 2016年03月17日 10時00分 公開
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 「在宅勤務で育児と仕事を両立したい」「外出先でも社内システムを利用したい」――そうしたニーズから近年、ワークスタイル変革が注目を集めている。個々人の生活事情をくみ取り、モバイル端末などの活用環境を整え、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出せれば、企業の成長につながるからだ。

photo 「VMware Conference 2016 Spring」の“Desktop as a Service”特別セッションには「DaaS」提供事業者4社の経営幹部が集結。

 しかし、いざ取り組もうとすると、ITシステム面の課題に加え、従来の労務管理や企業文化とのギャップなど、思わぬ制約に悩まされるケースも少なくない。また、経営者の立場からすると、投資対効果が明確化できず「そもそも必要なのか」と二の足を踏むこともある。

 このほど開かれた「VMware Conference 2016 Spring」の“Desktop as a Service”特別セッションでは、「DaaS」(Desktop as a Service)提供事業者4社の経営幹部が集結し、ワークスタイル変革の必要性と推進に向けた意見を交わした。その内容をご紹介しよう。

photo 左から、アイネットの田口勉氏、新日鉄住金ソリューションズの大城卓氏、NECの山崎正史氏、富士通の澁谷太郎氏

セキュリティリスクと運用管理負担を抑える「DaaS」

photo モデレーターを務めたヴイエムウェアの神田靖史氏

 ワークスタイル変革を進める上で浮かび上がるITシステム面の課題には、セキュリティリスクや運用管理コストなどがある。自由な働き方のためにモバイル端末を社外に持ち出すことは、情報漏えいの危険と隣り合わせだ。

 また、個人端末の業務利用(BYOD:Bring your own device)を許可して企業内のデバイスが増大/多様化すれば、運用管理の煩雑化も避けられない。アイネットの田口勉専務取締役は「デバイスが“マルチ化”した環境では、OSや業務アプリケーションを安全に利用できる環境を整え、ID/パスワードを全てコントロールすることがカギになる」と話す。

photo アイネットの田口勉氏

 こうした課題に対して有効な選択肢の1つがDaaSだ。端末側にデータを保持しないため情報漏えいリスクを抑えるほか、複数ユーザーのクライアント環境を集中管理することで運用負荷も軽減できる。富士通の澁谷太郎氏(サービスマネジメント本部 本部長)は「さまざまな端末をセキュリティ対策から解放し、それに掛かっていた労力を本業に割ける点がDaaSのメリットだ」と話す。

 また、NECの山崎正史氏(プラットフォームサービス事業部 事業部長)は「DaaSは自社資産を持つことなく小規模からスタートでき、利用状況に応じて規模を調節できる利点もある」と話す。田口氏はこの意見に応じ、「DaaSはサービスなので、ユーザー企業が自社で最新テクノロジーを追わなくても自動で最新版にアップデートされるメリットもある」と重ねた。

重要なのは“日本的な労務環境”に合わせたカスタマイズ

photo NECの山崎正史氏

 課題になるのはITシステム面だけではない。リモートワークでは上司の目が部下に届きにくく、上司が部下をどうマネジメントし、部下はどう評価されるか――といった疑問が発生しやすく、労務管理や評価制度の再考が求められる。

 山崎氏は、勤務時間を日別で自己申告し、上司が承認する――といった従来の制度を採用しながら、グループウェアのプレゼンス(在席情報)機能を活用し、作業時間を自動集計する取り組みを自社で検討しているという。「ワークスタイル変革の考え方はもともと海外発だが、日本の労務環境に合わせたカスタマイズが必要だ」(山崎氏)。

 一方、新日鉄住金ソリューションズの大城卓 取締役 上席執行役員は「在宅勤務は仕事とプライベートの時間が混在しがちで、働きすぎてしまうこともある」と指摘。在宅勤務でも定時以内に収めるなど、生活環境と仕事環境を明確に区分するルールの重要性を唱えた。「ワークスタイル変革は決して『いつでもどこでも仕事をしろ』という意味ではない」(大城氏)。

成功のカギは「目標の働き方を明確にイメージし、共有できるか」

photo 新日鉄住金ソリューションズの大城卓氏

 また、業務部門や情報システム部門が新たなワークスタイルの重要性を感じていても、企業内での承認が下りずにプロジェクトが頓挫するケースもある。経営層にとってはワークスタイル変革による価値をイメージしづらく、定量的な効果も期待しにくいからだ。

 こうした懸念に対し、大城氏と澁谷氏は決裁者の視点から「ゴーサインを出すためのアプローチ」をアドバイスする。

 「ワークスタイル変革のためにDaaSを活用しようとしても、単純計算だとDaaSはPCよりもコストが掛かる。しかし、IT運用管理を集中化できる点や機能の自動追加なども含めて計算すれば、決して高くない。その上、セキュリティリスクに敏感な経営者ならば、DaaSによって情報漏えいリスクを減らせる価値も理解できるはずだ」(大城氏)。

photo 富士通の澁谷太郎氏

 澁谷氏は、社内での意見交換を通じ、ワークスタイルを変えるアイデアとともに「ビジネス面でのメリット」を合わせて経営層に訴えるアプローチが有効だと話す。

 「単に『ITシステムを新規導入したい』と言うのではなく、自社にとって目標となる働き方を明確にいかにイメージし、いかに共有できるかがポイントとなる」(澁谷氏)。


 ワークスタイル変革を実現するには、DaaSをはじめとするITシステムの導入や、労務管理といったルールの策定、効果の明確化など、情報システム部門/業務部門/経営層の3者がそれぞれの視点で納得できるアプローチが重要となる。このセッションで出た話を参考に、自社にとってよりよいワークスタイルの取り入れ方を検討してみてはいかがだろうか。

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提供:ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2016年3月30日

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