Apple、「音楽を盗んだ」と書いたブロガー宅を訪問 問題再現失敗も信頼を獲得
Appleの2人のエンジニアが先週末、「Apple Musicで楽曲データが消えてしまった」と主張するユーザー宅を訪問し、問題再現・解決を試みたと、ユーザーがブログでその顛末を紹介した。
「Appleの2人のエンジニアと私の共通見解は、問題はまだ解決していないということだ」──。米Appleの音楽サービス「Apple Music」利用中に楽曲が削除されてしまったとブログで訴えていたアトランタ在住のジェームズ・ピンクストーン氏は5月17日(現地時間)、Appleがこの問題に対処するために2人のエンジニアを派遣した顛末をブログで紹介した。
ピンクストーン氏は4日、Apple MusicでMacに保存してある大量の楽曲を同期したところ、122GB分の楽曲が消えてしまった上、Appleのサポートに「サービスを使わないのが最善の方法」と言われたとブログで説明した。このブログが公開されると、複数のユーザーがTwitterなどで同じような体験を投稿し、それを受けてAppleは13日、複数のメディアに対し、(ユーザーではなく)サービス側に何らかの問題があることを認め、対処するためのiTunesのアップデートを実施すると予告した。
ピンクストーン氏によると、14日(土曜日)にAppleの2人のエンジニアの訪問を受けた。エンジニアは、問題再現とその解析のために特別バージョンのiTunesを持参し、Apple本社とも連絡を取りつつ問題が発生したMacで問題再現を試みたが、今度は楽曲は消えなかったという。
エンジニアらはピンクストーン氏に幾つかの操作をするよう“宿題”を残して一旦退出し、翌日の日曜日に1人が再訪して宿題のデータを回収した。
同氏は、問題は解決しなかったものの、Appleの対応を評価し、「私が今後ずっとAppleユーザーでいつづけるかどうかに関係なく、さまざまなAppleユーザーの助けになる機会を得られて良かった」と語った。
Appleは16日、iTunesのアップデートを公開した。ピンクストーン氏が提供したデータがこのアップデートに反映されているかどうか、問題への対策が盛り込まれているかどうかをAppleは明らかにしていない。ただ、米TechCrunchは、Appleがこのアップデートで問題を修正したと複数の情報筋が認めたと報じている。
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