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カラーコーンに地蔵の顔、ネットで話題に 「原宿に2時間設置、誰も気付かず」

カラーコーンと地蔵を組み合わせた芸術作品が、Twitterで話題になっている。

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 共通点は「道路を守る」――カラーコーンと地蔵を組み合わせた作品がTwitterで話題を集めている。制作者の長谷川維雄(@hasegawa_fusao)さんは「日本の日常風景に定着するまで作り続けたい」と話す。

 地蔵信仰とカラーコーンに「道路を守る」という共通点を見出し、2009年に第1号を試作。10年以降、改良を加えながら100体以上を制作してきた。今夏発売のモデルは第4世代になる。赤が基本色だが、オプションで青、緑、黄を用意し、価格は8000〜9000円程度を予定している。「通常のカラーコーンと全く同じように使ってもらいたい。特別に飾ると興ざめかもしれない」(長谷川さん)。

原宿に2時間設置も「全く気付かれなかった」

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 長谷川さんは、制作を始めたきっかけに「パブリックアートを作りたい」という思いがあったと話す。駅前などにあるブロンズ彫刻は「よほどの大御所にならないと任せてもらえない」(長谷川さん)と悩んでいるうちに、都市風景にじわじわと浸透させ、風景全体が作品にするようなアイデアを思い付いたという。

 「金属や御影石のような単体で美しい素材ではなく、街と同じスピードで汚れて風化していくプラスチック素材が断然よいと思った」(長谷川さん)

 試作品を作り、東京・原宿の人通りが多い道に設置。2時間以上観察したが、地蔵に気が付いた人はいなかったという。長谷川さんは「目の端で赤い三角を見た瞬間に『カラーコーン』とタグ付けしてしまって、差異の情報を無視するのでは」と分析する。「見つけた人は視界がいっぺんに変わって、すごく楽しいはず」(長谷川さん)。

 購入者からは「街中を歩いていると、カラーコーンの地蔵がどこかに隠れているんじゃないかと疑うようになった」「かわいがっているが、子どもは怖がっている」などの感想が寄せられているという。

 「カラーコーンは世界中にあるが、地蔵と結びつくのは日本独特なので、観光客が偶然見つければ面白がると思う。日本の日常風景に定着するまで、辛抱強く作り続ける」(長谷川さん)

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