「AppleがOSの一般向けプレビューを始めたのは“マップ”がきっかけ」──Fast Companyの幹部インタビューより
Appleが2014年にMac用OSで、2015年にはiOSで、一般向けのβプログラムを開始したきっかけになったのは、「iOS 6」でGoogle Mapsから移行したオリジナル「マップ」の悪評がきっかけだったと、同社のエディ・キュー上級副社長が語った。
「一般ユーザーがiOSをテストできるようになったのは、マップのおかげなんだ」──。米Appleのインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長、エディ・キュー氏は、米Fast Companyのロングインタビューでこう語った。
8月8日(現地時間)に公開されたこのインタビュー記事は、同メディアのリック・テッツェリ編集長がAppleのティム・クックCEO、キュー氏、ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏に対して行ったもの。
マップについては、クックCEOの下での製品改善の取り組みの一例として言及された。Appleは2012年9月、iOS 6のリリースで、それまでiOSで採用してきた米GoogleのGoogle Mapsから独自のマップを採用した。だが、公開直後のマップには多くのバグがあり、クックCEOが公式に謝罪するにいたった。
当時を振り返ってキュー氏は「われわれは(地図という)製品と、その複雑さを完全に軽く見ていた」と語った。「クパチーノ在住のわれわれにとって、(クパチーノの)地図はすごくまともだった。だから、われわれは問題を理解できなかったのだ。フィードバックを得るために多数のユーザーに(公開前に)マップを提供することはできなかった。だが、今われわれはそうしている」
Appleは2014年にOS X Yosemiteで初めて一般向けプレビューの提供を開始し、2015年にiOSでも同様のβプログラムを開始した。現在も、今秋リリース予定の次期macOSおよびiOSのβプログラムに誰でも参加できる。
Appleのマップは現在かなり改善されており、iOS上ではGoogle Mapsよりはるかに人気があるとテッツェリ氏は指摘する。
次期OSのマップの具体的な新機能についてはキュー氏もフェデリギ氏も語らなかったが、これまでより人工知能(AI)を採用した機能が増えるようだ。キュー氏は次期マップの機能を次のように紹介した。「例えば出勤前に家でメールをチェックしているとする。マップが『今出発しない方がいいです。あと少し家にいれば、15分節約できます』と通知してくれれば便利だよね」
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