交換済み「Note7」の発火問題、Samsungは情報把握後5日経過も無対策
Samsung Electronicsが8月に発表し、発火報告を受けて9月に正式リコールを開始した「Galaxy Note7」の交換済み端末もまた発火の報告が相次いでいる。Samsungは遅くとも4日に報告を受けていたが、9日現在もまだ具体的な対策を打ち出していない。
韓国Samsung Electronicsが9月21日(現地時間)から米国でリコールしている新端末「Galaxy Note7」(以下、「Note7」)について、交換済みの安全なはずの端末での発火・発煙の報告が相次いでいる。
米CBS系のメディア、WKYTは10月8日、ケンタッキー州在住の男性、マイケル・クレアリング氏のNote7が4日に発火した事件について報じた。
クレアリング氏は就寝中に煙で目がさめ、Note7の発火に気づいたという。同日中にSamsungに報告し、Samsungは端末の検査を申し出て対価を支払ったが、クレアリング氏はその後誤って届いたSamsungの社内連絡用らしきテキストメッセージを読んで、同社がこの問題を軽視していると判断し、提訴やメディアへの報告を含む行動に出た。
Samsungがクレアリング氏の報告直後にこの件を発表していれば、5日のSouthwest航空機内での発火や、7日の13歳の少女のポケット内での発火などの事件は回避できたかもしれない。
Samsungは7日、ようやく「リコールで交換後のNote7について、幾つかの報告があったことでキャリアや顧客の皆さんが不安を感じていることを理解している。(中略)調査の結果、もし安全上の問題があるという結論に達したら、米消費者製品安全委員会(CPSC)と協力して迅速に対策を講じる」という声明を発表した。ユーザーに使用中止を呼び掛けてはいない。
Note7を販売しているAT&T、Sprint、T-Mobileは、最初のNote7発火報告後の交換受付で、Note7以外の端末との交換にも応じている。AT&Tは9日、Note7の安全が確認できるまで、Note7との交換は行わないと発表した(米Recodeより)。
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