ファンが作ったグッズ販売に警鐘 コブクロ事務所、「個人で楽しむ範囲」超えた活動に注意
ファンが制作・販売していた非公式コブクログッズについて、販売をやめるようコブクロの事務所が警告。「このままでは、個人でのグッズ制作を全面的に禁止せざるを得ない」と自制を呼び掛けている。
フォークデュオ「コブクロ」のファンが制作・販売していた非公式のコブクログッズについて、販売をやめるよう注意したと、コブクロの所属事務所が発表した。これまで「個人で楽しむ範囲」のグッズ制作は許容してきたが、最近は、ツアーロゴなどを無断で利用し、複数人に配布・販売するなど「常識を逸した」制作活動が目に付くとし、「このままでは、個人でのグッズ制作を全面的に禁止せざるを得ない」とし、自制するようファンに呼び掛けている。
注意を受けたのは、コブクロファンが集まるFacebookコミュニティー「KOBUKURO-DAYS」(現在は削除済み)。公式ロゴなどを使ったTシャツを販売していたようだ。
コブクロの所属事務所・ミノスケ オフィスコブクロは、Facebookページでこのコミュニティーについて「多数の通報を受けた」とし、活動は「許容の範囲を超えた行為」と判断。「制作物の即刻の回収と掲載中の関連記事の削除を依頼した」という。また、グッズのツアー会場での着用や持参をやめるようファンに求めている。コミュニティー管理人は、販売済みのTシャツについて「全額返金・回収する」としている。
オフィスコブクロはこれまで、ファンによるオリジナルグッズ制作について「『個人で書かれたイラスト』を使用したグッズ制作など、『個人で楽しまれる範囲』に限り、常識的な観点を持ってこれらの活動を許容してきた」とする。
だが最近は、「サイトのオフィシャルロゴやツアーロゴ、アーティスト写真等、肖像権・著作権を有するデザインを許可なく安易に使用し、常識を逸した制作活動を行なっている方やグループ」が散見され、「複数人への配布や販売等、『個人で楽しまれる範囲』を完全に逸脱した活動も多く見受けられるようになった」という。
これらの行為は肖像権や著作権侵害に当たり、「決して認められるものではない」と批判。このままでは「許容できる常識の範囲で楽しまれていた方含め、全面的に個人でのグッズ制作を禁止せざるを得ない」と警告した。ただ「できれば厳密に取り締まることなく、皆様に楽しんでいただきたいと思っている」ため「皆様にはご協力をお願いしたい」と呼び掛けている
コブクロに限らず、アーティストのファンによるグッズ制作は盛り上がっているようだ。最近は、スマートフォンアプリからTシャツを簡単に制作できるサービスなどもあり、自作グッズ作りのハードルがどんどん低くなっている。音楽業界ではCD販売が低迷し、ライブやグッズの売り上げに頼る構図が鮮明になる中、「ファンが作ったグッズ」をどこまで許容するかは、アーティスト側にとって頭の痛い問題になりそうだ。
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