ニューヨーク市警、2015年導入の3万6000台の「Microsoft Lumia」をiPhoneに
ニューヨーク市警察(NYPD)が2015年に導入した3万6000台の「Microsoft Lumia」端末を今秋にAppleのiPhoneに切り替える。Microsoftは7月に「Windows Phone 8.1」のサポートを終了した。
ニューヨーク市警察(NYPD)のIT部門副委員長を務めるジェシカ・ティシュ氏は8月29日(現地時間)、2015年に導入した警官用の「Microsoft Lumia」スマートフォン3万6000台を今秋に米Appleの「iPhone」に切り替える計画を発表した。
これは前日、米New York Postが掲載した「NYPDは3万6000台の無用なスマートフォンを交換する必要がある」という記事を受けたもの。
New York Postはこの記事で、ティシュ氏が当時既にWindows Phoneのシェアが非常に低かったにもかかわらずLumia端末を選んだことに疑問を呈した。
ティシュ氏は、NYPDはスマートフォン導入以前から防犯システムなどでMicrosoftのWindowsを採用しており、また、スマートフォン導入を検討した時点ではiOSもAndroidも既に開発していたオンプレミスのWindowsアプリを低予算で使えるようにするのが難しかったと説明した。
さらに、Microsoftとの契約で3万6000台のLumia端末は無償だったので、スマートフォンの取り組みは予算の45%で済んでいると主張した。
1年前に検討した結果、Appleのプラットフォームへの移行が費用効果的に可能なことが分かったため、今秋に移行することを決定したという。
同氏は「日曜だけでもNYPDの警官たちはLumia端末で2万5000件の911(日本の110番)に応え、1万8000件の捜索をし、1080件の行方不明者や手配者の画像を見た。日曜日は暇な方だ」とし、「無用なスマートフォンではないだろう」としている。
Microsoftは7月にLumiaのOSである「Windows Phone 8.1」のサポートを終了していることもあり、iPhoneへの切り替えは無難な選択だろう。
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