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「AlphaGo Zero」──ビッグデータ不要のAI棋士が自己対局のみで世界最強に

Googleの系列AI企業DeepMindが、世界最強囲碁AI「AlphaGo」の新バージョン「AlphaGo Zero」が、試合データ不要の自己対局のみで、40日後に柯潔九段に勝った先輩AlphaGoに完勝するまでに成長したと発表した。

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 米Alphabet傘下のDeepMindは10月18日(現地時間)、過去の試合データを使わず、自己対局のみでスキルアップする新囲碁AI「AlphaGo Zero」を発表した。生まれてから40日後には、5月に世界最強棋士、柯潔(カ・ケツ)九段を破った「AlphaGo Master」に完勝し、世界最強棋士になった。

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 AlphaGo Zeroに囲碁のルール以外をいっさい与えず、強化学習式で自分自身と対戦させたところ、最初は初心者のような対局を行っていたが、3日目には韓国のプロ棋士・李世ドル氏を破った初代AlphaGoに100対0で勝ち、40日目には5月の引退後も成長していた最新版AlphaGoにも完勝した。

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 また、AlphaGo Zeroは1つのニューラルネットワークしか使わないなど、これまでのバージョンより省力化しており、李世ドル氏を破ったAlphaGoは48個のTPUが必要だったのに対し、わずか4個で稼働する。

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 AlphaGoなどのAIシステムの強化にはいわゆる「ビッグデータ」による学習作業が必要で、そうしたビッグデータの確保の難しさがAIシステム開発のネックになっている。DeepMindは、AlphaGo Zeroの成功は、ビッグデータの確保が難しい新薬開発や省エネ対策などの分野でのブレイクスルーに繋がる可能性があるとしている。


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