Amazon、テレビからの「Alexa」にEchoシリーズを反応させない機能をAWSで開始
Amazonが、テレビなどから「Alexa」と呼び掛けられてもEchoシリーズ端末が起動しないようにする機能をAWSで可能にしたと発表した。スーパーボウルのCM(記事に転載)で何度も「Alexa」と発せられてもEchoは反応しない。
スマートスピーカーがテレビなどに反応して起動することがあるが、米Amazon.comは2月2日(現地時間)、リアルタイム音響指紋をAWSで解析することで、こうした動作を防ぐようにしたと発表した。
同社は、2月4日開催の「スーパーボウル」(米ナショナルフットボールリーグの王座決定戦)中継番組で90秒の同社の音声アシスタント「Alexa」のCMを流す予定だ。このCMの中では何度も「Alexa」というウェイクアップワードが発せられる。
この動画を実際に筆者のEcho Dotのそばで再生してみたが、Alexaは起動しなかった。
音声指紋をAWSのアルゴリズムで解析し、同じ音声に反応しないようにしているという。この方式は、このCMだけに適用されているのではなく、例えばバラエティ番組でタレントが「Alexa」と呼びかけるような場合でも起動回避が可能だとしている。
同社の音声認識担当ディレクター、マノジュ・シンディワニ氏によると、多数のEcho端末が同時に起動し、同じ音声がAlexaのクラウドサービスに送られると、AWSのアルゴリズムがこの音声の音声指紋を受け取る端末が反応するのを回避させるという。この動的音声指紋方式は完璧とは言えないが、80〜90%の端末は同じ音声に反応しなくなるはずとしている。
スーパーボウルでは例年、高額なCM枠を使って大手企業が1度限りの凝ったCMを公開することで有名。YouTubeにはAdBlitzというCM専用チャンネルがあり、中継で放映されたCMはここでまとめて視聴できるようになる。
Amazonの今年のCMは、多数のセレブ(著名シェフのゴードン・ラムゼイ、ラッパーのカーディ・B、コメディアンのレベル・ウィルソン、俳優のアンソニー・ホプキンス)が登場する豪華版で、ジェフ・ベゾスCEOも本人役を楽しんでいる。
Alexaが突然咳き込むようになって声が出なくなり、代わりにセレブ達がユーザーの質問に対応するというストーリー。例えば「Alexa、カントリーミュージックをかけて」と頼んでもカーディ・Bが「カントリーミュージックなんてだめだめ」とラップで答える。
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