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iTunes連携からSamba導入まで──挑戦者「白箱」をぷちHackしてみた(前編)自作NASキット(1/4 ページ)

挑戦者より登場した自作NASキット「LAN Tank」は、難易度もそれなりに高いがそれだけ“遊べる”HDD型のファイル&ストリーミング・サーバである。NASとして、ファイルサーバとして、そしてネットワークメディアプレーヤーなどと連携してどのようなことができるかを試してみた。

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 挑戦者「LAN Tank(SOTO-HDLWU)」は、IDE接続タイプの3.5インチHDDを2機内蔵可能で100BASE-TX LANインタフェースを搭載するNAS組み立てキットだ。

 ちなみに挑戦者とは、アイ・オー・データ機器のパワーユーザー向けパーツブランドで、これまでにも生PEG再生も可能なHDDケース「MovieTank」や20.1Vインチの液晶TV「FTV-201」など、自作PCユーザーの心をくすぐるような先鋭的な製品を発売している。

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挑戦者「LAN Tank(SOTO-HDLWU)」。実売価格は1万8000円前後(ITmedia Shoppingで最安値をチェックする)。某社「玄箱」に対して白箱とも呼ばれている。HDDを2基搭載可能なのでちょっと幅があるかな、という以外は一般的な外付けHDDと変わらないサイズだ

 本体前面には、緑色のパワーランプ、赤色のアクセスランプが搭載されるのみと、きわめてシンプルなデザインとなっている。パワーランプは起動もしくは終了プロセス中に点滅し、稼動中は点灯する。

 背面には電源スイッチ、100BASE-TX LANポート、USBポート×2、冷却ファン×2などが備わる。LANポートはMDI/MDI-Xの切り換えも可能なので、初期設定時にPCと直結する場合にもクロスケーブルは不要。ファンレスではないかわりと言ってはなんだが、別途ACアダプタが不要な仕様となっている。

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前面は、緑色のパワーランプ、赤色のアクセスランプ、そして吸気口があるのみとシンプルなデザイン(左)、背面は電源スイッチ、100BASE-TXLANポート、USB×2、冷却ファン×2などを備える(右)

 LAN Tankは、IDE接続タイプの3.5インチHDDを2基内蔵でき、それらをスパンニングないしミラーリングできる点、そしてDAAP(Digital Audio Access Protocol)サーバ機能とwizdを標準搭載し、iTunesから直接アクセスできるミュージックサーバとして、そして同社「AVeL LinkPlayer」に代表されるネットワークメディアプレーヤーから直接アクセスできるマルチメディアサーバとして機能する点が特徴。実際、同社ではNASキットではなく、「ストリーミングサーバ」と銘打っている。

 NASキットのはしりである、玄人志向「玄箱」(や「玄箱 KURO-BOX/HG」)でも同様の機能は実現可能だが、一般Windowsユーザーではやや難しい「hack」作業が必要。LAN Tankは標準でそのあたりのアプリケーションが組み込まれており、その点ではやや簡単にマルチメディアサーバとして機能する点が重要なポイントだ。ちなみにOSにはDebian GNU/Linux SH(iohack版)ベースものが採用されている。

 HDDを2基内蔵させた場合は、2基のHDDを1基ぶんのドライブとして結合させる「スパンニング」ないし、同一データを2基のHDDに同時に記録する「ミラーリング」での運用が可能だ。読み書き速度の高速化が期待できるストライピングに対応しないのは、100Mbps LAN接続では読み書き速度のパフォーマンスの向上がほとんど見込めないためだろう。そのため一般自作ユーザーが使用するシチュエーションを想像すると、容量の異なるHDDの組み合せで2台ぶんの容量のドライブとして認識させるスパンニングの方が活用範囲は広いといえる。

搭載したHDDにOSをインストールする

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