そのほかの特徴では、付属の遮光フードに注目したい。CG245Wは画面の縦回転機能を備えており、遮光フードも横位置/縦位置の両方に対応した新タイプが付属する。カラーを扱うシーンでは、環境光の影響を極力排除するために遮光フードが必須だが、従来のColorEdgeシリーズに付属していた遮光フードは横位置のみの対応だったので、これは大きな進歩だ。縦位置対応の遮光フードはユーザーからの要望も大きかったとのことで、しっかり反映してきた点は高く評価できる。
高いコストパフォーマンスも見逃せない。今回のCG245Wは高評価を得ている現行モデル「ColorEdge CG243W」をベースに、キャリブレーターを内蔵したものだ。EIZOダイレクトでの直販価格は20万9790円となっており、CG243Wのセンサーセット(直販価格は19万9500円)に1万円程度足すだけで購入できる。内蔵キャリブレーターの搭載とそれによる利便性の向上を果たしていながら、この価格は驚きだ。カラーマネジメントが行える外付けキャリブレーターは、安いものでも3〜4万円くらいなので、CG245Wのコストパフォーマンスは優秀といえる。
なお、ColorEdge CG243Wは今後も継続販売される。より高性能/高価な分光式キャリブレーターで表示環境を統一しているような業務現場などでは、引き続きColorEdge CG243Wも有力な選択肢となるだろう。ただ、外付けキャリブレーターをすでに導入している環境でも、CG245Wの内蔵キャリブレーターがもたらすタイマー設定によるセルフキャリブレーションやコレレーションといった機能は利便性が高く、CG245Wを検討する価値は十分にある。
アフターサポートが充実しているのも、ColorEdgeシリーズ全体の特徴として挙げられる。CG245Wに関しては、内蔵キャリブレーターの校正(再調整)サービスが有料で提供される予定だ。どんなキャリブレーターでも経年変化で徐々に精度が落ちていくので、だいたい1年に1回くらいの再調整が理想といわれている。現状ではメーカーによる再調整サービスが受けられるキャリブレーターは非常に少なく、内蔵キャリブレーターでこのメリットを享受できるのはうれしい。再調整に要する期間は約1週間で、その間は代替機を借用できるという(2010年3月19日現在で詳細は未定)。
以上、CG245Wの新機能を中心に、ファーストプレビューをお届けした。内蔵キャリブレーターやセルフキャリブレーションによる省力効果には目を見張るものがあり、カラーマネジメント対応ディスプレイとしての完成度はより高まった印象だ。
好評なCG243Wをベースにしているだけあって、24.1型ワイドでWUXGA(1920×1200ドット)という広大な作業領域、視野角による色度変移が非常に小さいIPS方式の液晶パネル、Adobe RGBカバー率98%の広色域、16ビット演算/12ビットルックアップテーブルによる滑らかな階調表現(しかも、DisplayPort接続時は10ビット表示に対応)、画面の表示ムラを抑えるデジタルユニフォミティ補正回路、さまざまな用途に応えるカラーモードなど、ディスプレイとしての基本性能も申し分ない。
液晶ディスプレイとして見れば高価な部類だが、正確な色情報を扱いたい業務用途やこだわり派のユーザーには、値段以上の価値があるだろう。業務レベルでの導入はもちろん、個人のハイアマチュアユーザーにもおすすめできる新世代のカラーマネジメント対応ディスプレイだ。
ColorEdge CG245Wの主なスペック | ||
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液晶パネル | 24.1型ワイド(IPS) | |
最大発色数 | DisplayPort:約10億7374万色/10ビット対応(約680億色中/12ビットLUT)、DVI:約1677万色/8ビット対応(約680億色中/12ビットLUT) | |
色域 | Adobe RGBカバー率98%、NTSC比102% | |
画面解像度/表示面積 | 1920×1200ドット/518.4×324.0ミリ(ドットピッチ0.270×0.270ミリ) | |
輝度 | 270カンデラ/平方メートル | |
コントラスト比 | 850:1 | |
視野角 | 上下178度/左右178度(低色度変移) | |
応答速度:黒→白→黒)/中間階調 | 13ms/5ms(オーバードライブ) | |
映像入力 | DisplayPort×1(HDCP対応)、DVI-I×2(HDCP) | |
USB | USB 2.0ダウンストリーム×2、USB 1.0アップストリーム×1 | |
外形寸法(幅×奥行き×高さ)/重量 | 566×242〜256×396.5〜553.5ミリ/約10.1キロ(スタンド含む) | |
スタンド | FlexStand | |
昇降 | 157ミリ(最大182.5ミリ) | |
縦回転 | 右回り90度 | |
チルト | 上30度 | |
スイベル | 右172度、左172度 | |
キャリブレーションセンサー | 搭載 | |
セルフキャリブレーション機能 | 搭載 | |
カラーモード | sRGB、Adobe RGB、Custom、EBU、Rec709、SMPTE-C、DCI、Calibration(CAL) | |
3D-LUT | 搭載 | |
デジタルユニフォミティ補正回路 | 搭載(実環境の輝度で調整。中間階調重視) | |
調光機能(輝度ドリフト補正、輝度自動制御) | 搭載 | |
温度センシング機能 | 搭載 | |
拡大モード(画面サイズ) | フルスクリーン/拡大/ノーマル | |
ColorNavigator(専用キャリブレーションソフトウェア) | 標準添付 | |
UniColor Pro(色覚シミュレーション) | 対応 | |
遮光フード | 付属 | |
保証期間 | 5年間 | |
標準価格 | オープン | |
EIZOダイレクト価格(発売時) | 20万9790円(税込み) | |
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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月31日