編集部が厳選! “+α”で決める「三菱ディスプレイ」三菱マルチメディアディスプレイでフルHDとIPS方式液晶は当然、だったら何で選ぶ?(3/3 ページ)

» 2012年12月03日 10時00分 公開
[ITmedia]
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「動画」×「RDT234WX-Z(BK)」×「ITmedia LifeStyle」

倍速補間機能を備えた23型フルHDモデル「RDT234WX-Z(BK)」

 ITmedia LifeStyle編集部が注目したのは、上位機種の「マルチメディアアドバンス」に位置付けられる2つの23型フルHDモデルだ。

 まずは2D動画の再生に適した「RDT234WX-Z(BK)」から見ていこう。最大の特長は、120Hz駆動のIPS方式液晶パネルと独自技術を組み合わせた倍速補間機能の「倍速クリアピクチャー」によって、ぼやけ感を抑えた滑らかな動画表示を実現していることだ。PC向けの汎用液晶ディスプレイで120Hz駆動のIPS方式パネルと倍速補間機能を搭載した製品は他社になく、その点だけでも独自の魅力を放っている(ちなみに同社では最上位機のVISEO MDT231WGもこれを備える)。

 倍速補間機能に注力した半面、応答速度や遅延時間はほかの三菱マルチメディア液晶ディスプレイに譲るので、シビアなレスポンスが求められるゲーム用途には向かないが、動画のコマ数を疑似的に倍増させる倍速補間のおかげで、動画再生時の滑らかさは60Hz駆動のIPS方式パネルを搭載したほかのモデルより優位に立つ。一般に応答速度が速いほど動画ブレが少ないのは間違いないのだが、倍速補間技術は応答速度の速さより動画ブレに効果的なのだ。

 映像マニアとしては「シネマモード」の存在も大きい。映画は毎秒24フレームで撮影されたものが多いが、シネマモードでは毎秒24フレーム(または30フレーム)映像の各フレームを5回(30フレームでは4回)繰り返すことで、フィルムっぽさを表現する「フィルム」設定が選べる。フィルム設定では補間画像を作らないため、映像作家が意図したオリジナルに近い雰囲気を堪能できる。

 また、シネマモードを「なめらか」設定にすると、前後のフレームから予測した新しい4フレーム(30フレームでは3フレーム)の補間画像を作り、より滑らかで自然な動きになる。動きのあるシーンの動画ボケを防ぐとともに、カメラが移動したり、左右に振ったり(パン、ティルト)するシーンでは大きな差が出てくる。ちなみに、これとスマホビュー機能を組み合わせることで、スマートフォンの毎秒30フレーム映像も毎秒120フレームとして表示可能だ。スマートフォンの映像でも倍速補間の恩恵を受けられるのは面白い。

「倍速クリアピクチャー」は、通常の毎秒60フレーム映像から次の動きを予測して新たなフレームを生み出し、2倍の毎秒120フレームに補間する。これにより、ブレを抑えた滑らかな動画表示が可能だ。超解像技術で補正した解像感の高い映像を使って、毎秒120フレームに補間するため、細部までクッキリ描かれる

倍速クリアピクチャーとシネマモードの設定はOSDメニューで変更できる。倍速クリアピクチャーのオン/オフはリモコンのボタンで切り替えることも可能だ

 画質面では、映像エンジンのギガクリア・エンジンIIが威力を発揮する。超解像をはじめ、ブロックノイズリダクション、エリアコントラスト、肌色検出といった高画質化技術を備えており、こうした機能がないPC向けの一般的なディスプレイとは画作りが根本的に違うのだ。液晶パネルはPCディスプレイ向けのものだが、映像エンジンはテレビに近いため、映像コンテンツとの親和性は高い。

「タイタニック 3D・2Dブルーレイ スペシャル・エディション<4枚組>」は5990円(税込)。発売元は20世紀 フォックス ホーム エンターテイメントだ。(c)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 さて今回は「タイタニック 3D・2Dブルーレイ スペシャル・エディション<4枚組>」を中心に、画質をチェックしてみた。「RDT234WX-Z(BK)」は3D立体視には対応しないため、再生したのはもちろんタイタニックの2D版だ。タイタニックでは、例えば巨大な船体をカメラが上空からなめるように映すシーンなどで、倍速補間とシネマモード(なめらか)の効果がよく分かる。映像に違和感を覚えたとたん、物語への集中力がさめてしまうタイプの人は積極的に活用したい。

 なお、プリセットの画質モードである「アドバンスト DV MODE」には、「動画」モードに「シネマ」の設定がある。この設定は輝度を50%まで落とし、超解像は抑えた大人しい設定になっていた。部屋の照明を落として映画を見るときなどにちょうどいい、落ち着いた印象だ。このままでも十分に楽しめるが、豊富な調整メニューを活用して、ソースによって一工夫すると、さらに見やすくなる。例えば、DVD-Videoのソースならば、超解像レベルを30〜40%に上げると擬似輪郭が出でてこない範囲で解像感を上げられる。特に劇場用アニメDVDなどには効果的だった。

付属のリモコンは倍速補間の入/切を切り替える専用ボタンを用意。入力切り替えのダイレクトボタンも備える

 一方、ちょっと古めの映画を見るときなどは、「シネマ」モードにした上で、1階層上の色温度の項目から「6500K」や「5000K」を選択してみる。映画館で使われるキセノンランプ(5200K)に近い印象になって気分が盛り上がるだろう。こうしたマニア向けともいえる設定メニューに、リモコンの「メニュー」ボタンからすぐにアクセスできるのがうれしい。入力切り替えのダイレクトボタンなど、AV機器でも最近は省略されがちなボタンを多く備えている点も好印象だ。

 なお、ユーザーの手を煩わせないように、動画の自動判別モードも用意されている。入力映像のヒストグラム傾向から、テレビ、シネマ、ゲームの3つの動画モードを自動で切り替えてくれるため、わざわざ表示するコンテンツに応じて動画モードを手動で変更せずに済む。同様に入力の解像度に応じて超解像等の調整範囲を自動設定する機能も持つ。丁寧に見たい映像コンテンツの視聴でなければ、こうしたオート機能を使うのも手だ。

 このように、再生する映像コンテンツに応じて倍速補間や各種設定を細かく調整し、画質を追い込んだり、カジュアルにオート機能で楽しめたりと、「RDT234WX-Z(BK)」は映像マニアが喜ぶような仕掛けが詰まっている。マルチメディア液晶ディスプレイという肩書だが、AV機器のような感覚で使っても違和感がないのはさすがだ。実売価格は5万4800円前後と今回紹介する5モデルの中では一番高価だが、映像再生における倍速補間機能の効果は価格差を埋めるに十分といえる。

 倍速補間機能が付いたテレビをすでにリビングに置いていて、自室のディスプレイは動画にどうもキレがない、と感じていた人にピッタリだ。

「3D映像」×「RDT234WX-3D(BK)」×「ITmedia LifeStyle」

偏光方式の3D立体視に対応する23型フルHDモデル「RDT234WX-3D(BK)」

 ITmedia LifeStyle編集部のもう1台のイチオシは、3D立体視に対応した23型モデルの「RDT234WX-3D(BK)」だ。「RDT234WX-S(BK)/WX(BK)」をベースとして、手軽に高品位な3D立体視を楽しめる機能が追加されている。

 3D立体視には偏光方式を採用する。偏光方式の3D立体視は、右目用と左目用の映像を同時に映し出し、液晶パネル表面の偏光フィルムを通じて右目用と左目用に光を分け、それを付属の偏光メガネで見ることで、脳内で左右の画像を合成し、立体感のある3D映像を得る仕組みだ。1枚の画像から左右用に映像を分けるため、原理的に見た目の解像度が半分になるのがネックだが、実際に画面を見れば不足はないことが分かる。

 そもそもフルHD(1920×1080ドット)の解像度は、50型クラスの画面を3H(画面の高さの3倍)で視聴すると、画素が目立たずに視聴できるということが1つの基準になっている。23型ワイドの画面サイズでは視聴距離がかなり近くなることもあり、Blu-ray 3Dを映しても解像感が落ちている印象は薄い。3D立体視では輝度が低下するが、公称値の90カンデラ/平方メートルといえば、3Dテレビで“明るい”とPRする製品と同等のレベルだ。

偏光方式の3D立体視では、偏光フィルムと偏光メガネを組み合わせることで、左右の目にそれぞれ異なる映像を見せて、それを脳内で合成させることにより、3D立体視を実現する

 それより、付属の3Dメガネが軽く、充電などが必要ないこと、そしてクロストークやアクティブシャッターに起因するチラツキがない点も偏光方式ならではのメリットといえる。「RDT234WX-3D(BK)」では、通常の3Dメガネに加えて、普段の視力矯正メガネに装着できるクリップタイプの3Dメガネも標準添付されている。

 実際に取り付けてみると、軽量なため存在を意識させず、アクティブシャッターメガネを「メガネ on メガネ」で装着したときのようなストレスが一切ないので使いやすい。メガネの取り扱いで3Dテレビを敬遠していた人も、これは一度体験していただきたい。

3Dメガネは通常タイプ(写真=左)に加えて、視力矯正メガネに装着できるクリップタイプ(写真=右)も付属する

3D映像フォーマットの切り替えや深度調整なども手元で行えるフルリモコンが付属する

 映像入力は2系統のHDMI、DVI-D、D-Sub、D端子(D1〜D5)をそろえるが、D端子以外の端子は3D映像の入力に対応する。フレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトム、ラインバイラインといった幅広い3D映像に対応しており、Blu-ray 3D、YouTubeやBS/CS放送の3D番組、さらにはスマートフォンの動画投稿サイトにある3D映像など、さまざまな3Dコンテンツの立体視が可能だ。

 とはいえ、3Dのコンテンツはまだまだ数が限られる。そこで、「RDT234WX-3D(BK)」は2Dの動画や静止画を疑似的に3D化して立体視できる「2D→3D変換機能」も持つ。これにより、すでに所有しているお気に入りの2D映像を気軽に3D立体視で再生することもできる。

 3Dコンテンツの視聴は「タイタニック 3D・2Dブルーレイ スペシャル・エディション<4枚組>」を中心として、複数の3Dタイトルや2Dタイトルで行った。このタイタニックは、もともと2Dの映画を3Dに変換したタイトルのため、3D向けに製作されたタイトルに比べるとカメラアングルなど違和感のあるシーンも多い。

「タイタニック 3D・2Dブルーレイ スペシャル・エディション<4枚組>」の一場面。海水が通路に迫ってくるシーンは3Dならではの楽しさがある。(c)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 ただし、クラシックな豪華客船という素材は3D向きのようで、立体感はおおいに楽しめた。例えば、沈みかけたタイタニックの中、手錠をかけられて脱出できないジャックを救うためにローズが船内を走り回るシーンなどは、2D以上の距離感を感じさせて緊迫感が高まる。船内の通路は狭く長く、画面内の前後関係がはっきりするためだ。船に進入してきた海水が通路を迫ってくるシーンでは、スピード感も上乗せされて否応なく画面に引き込まれる。

 23型ワイド画面で偏光式の3D立体視ということで、3Dコンテンツの魅力をどこまで引き出せるのか試してみるまで分からなかったが、実際は大画面テレビやプロジェクターで見る3D立体視より、画面を見る距離がずっと近づくこともあり、1人で画面の正面から見るぶんには、3Dコンテンツならではの没入感がしっかり得られた。

 「RDT234WX-3D(BK)」の実売価格は5万2800円前後だ。スタンダードモデルの「RDT234WX-S(BK)/WX(BK)」から、ほぼ同等の性能と機能を受け継いだうえで、手軽に使えて本格的な3D立体視にも対応するのだから、妥当な価格だろう。実は応答速度が3.2ms(GTG)と5モデルの中で一番速いことから、ゲームにも向いており、2Dも3Dもそつなくこなすハイレベルなオールラウンダーといえる。3Dコンテンツに少しでも興味があるならば、ぜひ検討していただきたい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月31日