米Appleが9月12日(日本の13日午前2時)のイベントで紹介した「iPhone X」の顔認証機能「Face ID」が話題です。写真やマスクを使ったなりすましができない一方、機械学習によって帽子をかぶってもヒゲを生やしても認識できるそうですが、どこまで顔を隠したら認識されないのかとか、コスプレしてても大丈夫なのかとか、いろいろ試してみたくなります。
でも、iPhone Xの発売は11月3日なので、それまでおあずけです。しかも、発売時の出荷台数はとても限られているそうなので、お金があっても当分入手できないかもしれません。
当初、iPhone Xが品薄になる原因は有機ELディスプレイの確保が難しいため、とされていましたが、9月27日付の米Wall Street Journalの記事(読むには登録が必要)によると、Face IDも品薄の原因になっているそうです。
9月12日の発表イベントでフィル・シラー上級副社長が説明したように、Face IDはドットプロジェクターが3万以上の目に見えない赤外線ドットを顔の上に投射し、それを「TrueDepth」カメラが解析して深度マップにし、赤外線カメラで撮影した顔の赤外線イメージと合わせて数学的モデルに変換し、それを登録しておいた顔のデータと照合することでログインできるようにするという仕組みです。
Wall Street Journalによると、この3万以上のドットを使う方のモジュールの製造に手間取っているのだとか。このモジュールは社内で「ロミオ」と呼ばれているんだそうです。
そしてご想像通り、赤外線カメラのモジュールの方は「ジュリエット」です。
つまり、ロミオの生産が難航してジュリエットを待たせているそうです。
こんな名前にしたら、悲劇に終わるに決まってるじゃないですか。そういう「縁起」みたいなものを考えないんでしょうか、もう。
ところで、Appleが9月28日に公開したFace IDのサポートページによると、Face IDは目を開けて、ちらっとでもレンズの方を見ないと認証できないようにしてあるそうです。
「Touch ID」は、ぐっすり眠っている人の指を気付かれないようにホームボタンへ当てれば解除できましたが、Face IDは眠っていたら使えないので安心(?)です。
ただ、ちらっとでも目を合わせないと解除できないとすると、人と目を合わせて話ができないシャイな人にとってはつらいかも。話しかけるときに必ずiPhoneくんと目を合わせなくちゃならないなんて。
ポジティブに考えれば、iPhone Xで「人に話し掛けるときはまず目を合わせる」練習をしていれば、そのうち人の目を見て話せるようになるかもしれません。
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