自分なりの絵作りが楽しめるワンランク上の500万画素機
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写りはなかなかシャープでいい。ただ、フルオートで撮ると、ときどきがっかりするかもしれない。例えば、オートホワイトバランスは強力だが、逆に強力すぎて意図しない結果になることがあるからだ。
例を出そう。これは夜に盆踊りの会場を撮影したものだ。オートでは色温度が低い提灯が完璧なまでに白く補正されてしまい、雰囲気が台無しになっている(ここまで強力に働くホワイトバランスも珍しい)。だからホワイトバランスを変更して撮らねばならない。太陽光にすればこのように赤く写る。
夜に祭りの提灯をフルオートで撮影。ISO400に増感。1/60秒、F3.2。ホワイトバランスが強く働きすぎている(オリジナル画像はこちら)
同様のシチュエーションで、ホワイトバランスを太陽光に固定して撮影。ISO400に増感。1/60秒、F3.2。太陽光に固定することで、その場の雰囲気を出せた。暗部を見ない限り増感のノイズはあまり感じない(オリジナル画像はこちら)
もう一つ例を挙げよう。これは昨年の秋、京都で紅葉を撮ったときのものだ。一方はフルオート。もう一方はホワイトバランスをデイライトに固定し、彩度を+5、コントラストを−5にして、ちょっと極端に差をつけて撮ったものだ。
晴れた日に紅葉を撮影。色はきれいに出ているが、赤はくすみがち。コントラストが高くディテールが不自然に感じられる。輝度差が激しいエッジの偽色も気になる。ISO64、1/320秒、F4.0(オリジナル画像はこちら)
同じ構図でセッティングを変えて撮影。ホワイトバランスを太陽光にし、コントラストを-5に下げ、彩度を+5に上げた。青空は深くなり、赤はより際だって階調が柔らかくなった。このようにセッティングを変えるといい色が出せる(オリジナル画像はこちら)
どういう絵が欲しいかは、そのときどきによって変わる。また、カメラによっては失敗のない無難な絵を作るし、また別のカメラでは得手不得手がはっきりした絵作りをする。それがカメラの個性だが、C-5050ZOOMのフルオートはハイエンド機には珍しく、ホームランか三振か、みたいなところがあるのだ。特にホワイトバランスに関しては、常に白いものを白く合わせようとする傾向がある。
ただ、救われるのは、マニュアルホワイトバランス機能が非常に豊富なことだ。プリセットだけでも、屋外系4種、屋内系5種(そのうち蛍光灯だけで4種もある)も持っており、オートからプリセットまで色温度を微調整できるのだ。試し撮りで微調整のコツをつかんでおけば、ホワイトバランスは自在である。
その上カスタムホワイトバランスも4種まで登録できるので、シチュエーション別に自分の好きな色味をセットしておけば、それを呼び出して使うこともできる。多少面倒だが、できるだけ撮影者の好みの色を出そうという機能の奥行きの深さは評価できる。
画質は、デフォルトではコントラストが高めで全体的に硬く、その割に色は浅めという印象を受けた。しかし、コントラストも彩度もシャープネスも、±5段階(つまり合計11段階)で自分で調整できるのだ。だからもともとコントラストが高い明るい屋外の撮影では、コントラストを下げ彩度を上げることで、屋外らしい色が乗った印象的な写真を撮ることができる。
また500万画素の割に1/1.8インチとCCDが小さいので(このCCDを使ったデジカメの多くはそうなのだが)、基本感度がISO64と低く、増感するとディテールがかなりざらつく。しかし基本感度が低くてもレンズが明るいので、ある程度カバーしてくれるのはうれしい。
[荻窪圭, ITmedia ]
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