電力会社で最大のメガソーラー、関西電力が和歌山県に30MW:電力供給サービス
このところ原子力以外の発電設備を相次いで増強している関西電力が2つ目の大規模なメガソーラーを建設する。石油元売の東燃ゼネラル石油が和歌山県に保有する遊休地に30MWの発電設備を設置する計画で、電力会社のメガソーラーでは最大の規模になる。
関西電力が新たにメガソーラーを建設するのは、和歌山県の北西部にある有田市の臨海地域である(図1)。東燃ゼネラル石油が保有する45万平方メートルの土地に、30MW(メガワット)の太陽光発電設備を建設する計画で、運転開始は2014年度を予定している。年間の発電量は約3100万kWhを見込み、一般家庭9000世帯分の電力使用量に相当する。
これまでに関西電力は発電能力が10MWの「堺太陽光発電所」を大阪府で稼働させており、和歌山県のプロジェクトは2つ目の大規模なメガソーラーになる。現在のところ電力会社のメガソーラーでは東京電力が神奈川県で稼働中の「扇島太陽光発電所」が13MWで最大の規模だが、これを大幅に上回る。
最近になって関西電力は発電設備の増強を急ピッチで進めている。火力発電所や水力発電所の設備を拡大して電力の供給力を高めており、特に太陽光と風力を中心に再生可能エネルギーの推進に積極的に取り組む方針を打ち出している。
一方、用地を提供する東燃ゼネラル石油は世界最大の石油会社であるエクソンモービルグループに属していて、国内のメガソーラー事業は関西電力との共同プロジェクトが初めてである。建設と運営は関西電力グループにゆだねるが、日常点検などの管理は東燃ゼネラル石油が担当する。
石油元売の大手各社は事業構造改革の一環で、メガソーラーを中心に再生可能エネルギー事業の拡大を進めている。東燃ゼネラル石油も今回の共同プロジェクトを機に事業拡大に乗り出す。
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