東武鉄道は2014年9月、千葉県にある自社遊休地に「千葉高田町太陽光発電所」(千葉市緑区高田町)が完成したと発表した(図1、図2)。事業費は約3億円。
固定価格買取制度(FIT)による売電を目的とした発電所。出力は1.248MW(直流)、想定年間発電量は約135万kWh*1)。2014年6月に着工、シャープが設計・調達・建設(EPC)を進め、同社の単結晶太陽電池モジュールを4896枚設置した。富士電機のパワーコンディショナー(出力1000kW)を1台用いる。
*1) 一般家庭375世帯分の年間消費電力量に相当するという。二酸化炭素排出量削減効果は年間約681トンであり、ブナの植林に換算すると約6万2000本に当たるとした。
東武鉄道は太陽光発電の導入に熱心だ。「2009年以降、まず、せんげん台変電所に設備を導入、2010年度にはふじみ野変電所、川越変電所、鐘ヶ淵変電所にも自家消費用の太陽光発電設備を導入している」(東武鉄道)。2013年7月には民鉄グループ(私鉄)初のメガソーラーである「葛生(くずう)太陽光発電所」(栃木県佐野市)の運転を開始しており、今回は2カ所目に当たる。
同社は社有地の有効活用を兼ねて、太陽光発電所を開発している。千葉高田町太陽光発電所では東武エネルギーマネジメントが東武鉄道から約1万6400m2の土地を賃借し、発電事業を進める形を採った。
現在、さらに4カ所の太陽光発電所を建設しており、2014年秋から2015年春にかけて順次完成する予定だ(図3)。「真岡市の発電所だけは東武鉄道ではなく、当社グループの東野交通などの所有地を用いる」(東武鉄道)。
大規模な発電設備に続いて、「今後は費用対効果を考え、より小規模な太陽光発電設備の導入も検討していく」(同社)。
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