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長野県で発生した38万戸の停電、原因は雪と強風:電力供給サービス
3月2日(月)の早朝に長野県の北東部から中部にかけて広範囲で停電が発生して、3時間半後に復旧した。中部電力が原因を調査中だが、送電線に雪が付着した状態で強風にあおられたために、電線が過剰に上下運動を起こして故障につながった可能性が大きい。中部電力は引き続き調査を進める。
停電が発生した地域は、長野市をはじめ上田市や松本市など、長野県内でも人口が多い北東部から中部の広い範囲に及んだ。3月2日(月)の午前5時35分ごろに、基幹の送電線の1つである「信濃東信線」が停止して、周辺地域の最大38万戸で停電が発生した(図1)。約3時間半後の午前10時6分までに通常通りの送電が可能になって停電は解消した。
中部電力が原因を調査したところ、信濃東信線の2系統のうち1号線で故障個所が見つかった。送電線は上・中・下の3本で構成しているが、中線と下線の合計12カ所で故障点を特定した(図2)。当時の気象条件や送電線の経路などを合わせて検討した結果、「ギャロッピング現象」によるものと判明した。
ギャロッピング現象は電線に雪や氷が付着した状態で強風を受けた場合に、雪や氷の重みで電線が上下に激しく振動してしまう現象だ(図3)。その影響で一時的に大量の電流が流れる「短絡(ショート)」が起こると、送電設備の故障につながる。故障が発生した部分を送配電ネットワークから速やかに切り離すことができないと、広範囲に停電をもたらす可能性がある。
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