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AI PCはプロセッサーでここまで変わる──「AMD Ryzen AI」が変える法人PCの最適解

生成AI活用が進み、法人PC市場で「AI PC」の存在感が増してきた。ただ、ひとくちにAI PCといっても種類はさまざまだ。これに対して日本AMDは「プロセッサーで大きな差が出る」と主張する。AI処理に強いNPUを備える「AMD Ryzen AI プロセッサー」を搭載したAI PCはどのような点が優れているのか。日本AMDの楊博光氏と関根正人氏に聞いた。

 生成AIの活用は、試験的な利用から業務への本格的な組み込みにシフトしている。法人PC市場でも、AIをローカルで動かせる「AI PC」の存在感が増してきた。ただ、ひとくちにAI PCといっても種類はさまざまで、情報システム部門の担当者からは「結局、何が違うのか」という声も聞こえてくる。

 この問いに「プロセッサーで大きな差が出る」と主張するのが日本AMDだ。データセンター向けの技術を受け継ぎ、AI処理に強いNPUを備える「AMD Ryzen AI プロセッサー」をその答えとして示している。

 日本AMDは「AMD Ryzen AI プロセッサーを搭載した法人向けPCの国内出荷は2025年に118万台に達し、直近5年で10倍以上に伸びている」と説明。公共機関の調達でもAMDが指定される例が出ているという。AMD Ryzen AI プロセッサーは実際の業務に何をもたらすのか。日本AMDの楊博光氏と関根正人氏に聞いた。

左から日本AMDの関根正人氏(コマーシャル営業本部 セールスエンジニアリングマネージャー)と楊博光氏(コマーシャル営業本部 部長)

性能重視の「ハイパフォーマンスコア」だけで構成するプロセッサー

 AMD Ryzen AI プロセッサー搭載のAI PCを使うと、日々の仕事はどう変わるのか。日常的にAMD Ryzen AI搭載PCを使う楊氏は、まず起動の速さと安定性を挙げる。「開けばすぐ使える。さまざまなソフトウェアを立ち上げても動作が安定していて生産性が落ちない。バッテリーも1日持つ」

AMD Ryzen AI プロセッサー(提供:日本AMD)《クリックで拡大》

 複数の作業を同時に進められる点も利点に挙げる。資料を開きながらデータを集計して、さらにその裏で別の処理を走らせる……などの使い方をしても、動作が重くなりにくい。「3~4つの仕事を一気に進められる。これが大きな強みだ」

 こうした快適さは、AMD Ryzen AI プロセッサーの設計に支えられている。その土台が、CPUのコア構成だ。多くのプロセッサーは、性能を重視したコアと消費電力を抑えたコアを組み合わせて構成する。これに対してAMDは、性能を重視した「ハイパフォーマンスコア」だけでプロセッサーを設計している。

 ハイパフォーマンスコアはデータセンターで培われた技術を応用しており、低負荷時は動作周波数を下げ、休止するように振る舞うという。

 関根氏はハイパフォーマンスコアについて「AMDのサーバ向けCPU『AMD EPYC』の設計をクライアント向けに小型化していると考えてほしい」と説明。設計思想として「『消費電力を下げたいから電力効率重視の小型コアを混ぜる』という考え方を私たちは採らない。必要なときに性能を出し、そうでないときは電力を抑える。それができるなら、効率重視の小型コアを別に持つ必要はない」と示し、AMDの技術力に自信を見せた。

 ハイパフォーマンスコアは、高負荷の作業ほど効果を発揮する。ソフトウェア開発はその代表例だ。「コンパイルやビルドには相応の処理性能が必要だ。ハイパフォーマンスコアが多いほど、開発のサイクルにかかる時間を短縮できる」と利点を挙げる。実際にソフトウェア開発や製品設計・開発を手掛ける企業がAMD製プロセッサーを導入する例も増えているという。

 またハイパフォーマンスコアは速さに優れるだけでなく、長時間の駆動も両立させる。AMDは工場を持たずプロセッサーの設計に専念するビジネスモデルを採用しており、生産は半導体製造大手のTSMCに委託している。設備投資が不要な分、最新の製造プロセスを柔軟に選定・設計できるというメリットがある。

 関根氏は「AMDの技術は日夜進歩を続けており、コアの微細化が進んでいる」と話す。TSMCによる製造プロセスによってトランジスタがどんどん小さくなっているため、高性能と低消費電力を実現できていると述べる。

 性能と省電力を毎世代高められるのは、開発の進め方にも理由がある。米AMDの経営トップがエンジニア出身のリサ・スーCEOに代わった2014年以降は特に「無理な開発目標は立てず、できることを着実に重ねる」という考えで製品作りをしている。着実に一歩ずつ進み、予定通り製品をリリースすることで市場の信頼を勝ち取る。そのフィードバックが開発にも生きているという。

ローカルでのAI処理&AIエージェントにも対応

 AMD Ryzen AI プロセッサーはAI処理に特化したNPUも備える。そのNPUが生きるのが、AI処理をPC内部で完結させるローカル処理だ。PCをインターネットにつながなくてもAIアプリケーションを実行できるため、飛行機の中など電波の届かない環境でもタスクを処理できる。

 AMD Ryzen AI プロセッサーを搭載した富士通のAI PC「LIFEBOOK U5415A/A」でローカルでのAI処理を実演してもらったところ、英文PDF文書の和訳や録音したWeb会議の文字起こしと要約などの作業をスムーズに処理した他、要約した文章について追加で質問すると、NPUを稼働させてそれらにも返答した。関根氏は「いずれもクラウドを介さずPC内部で完結させられる」と話した。

 ローカルでAI処理ができることの利点には、機密性の高さも挙げられる。「クラウドのAIサービスに秘密保持契約に関わるデータや社内の重要な書類を送るのは避けたい。そんなときにローカルでAI処理を完結させることができれば、その心配がない」

 コストの観点でもメリットがある。クラウドのAIサービスは、利用量に応じてAPI利用料金などが発生する。「AIアプリケーションのトークン量は急激に増えている。ローカルで実行できるタスクをローカルで処理すれば、その分を節約できる」と関根氏は提言する。クラウドとローカルを使い分けるハイブリッドな使い方の優位性を説く。

 生成AIのビジネス活用を巡って「AIエージェント」が注目を集めている。文章や画像の作成に長ける生成AIとは違い、AIエージェントは目的を与えられると自分でツールを使い分けて、手順を組み立てて成果を生み出す。

 「先週の会議の議事録を要約し、関係者にメールで共有してほしい」と頼めば、エージェントは録音ファイルを文字起こしして要点をまとめ、メールアプリを開いて宛先を選び、文面を書く。こうした一連の判断と実行を、人間の指示を待たずに進める。

 AIエージェントの性能を十分に発揮させるために問われるのがCPUの処理能力だ。文章や画像を生成するAIは、並列演算が得意なGPUと相性が良い。一方、エージェントの仕事は状況を見極め、どのツールをどの順で使うかを決め、実行結果を見て次の手を考える流れだ。性質の違う処理が連続するため、複雑な処理を切り替えながら速くこなすCPUの強さが必要になる。関根氏は「複数のエージェントを同時に動かす時代になれば、判断を担うCPUの処理能力がより重要になる」と話す。

 AMD Ryzen AI プロセッサーは、AIエージェントの判断においても高い性能を期待できる。CPUとGPU、NPUを実装しているため生成系の処理と判断系の処理を1台のプロセッサーで分担可能だ。

正しい知識でPCを選ぶために

 AMD Ryzen AI プロセッサーを搭載した法人向けAI PCとして富士通が展開するのが、「LIFEBOOK U5415A/A」と「LIFEBOOK U5615A/A」だ。両モデルとも、50TOPS以上のNPUを内蔵するAMD Ryzen AI プロセッサーのAMD Ryzen AI 7 445 / Ryzen AI 5 430を選択でき、Copilot+ PC(米Microsoftが提唱するAI PCの規格)に対応する(AMD Ryzen AI 7 445 / Ryzen AI 5 430 搭載モデルのみ)。

 U5415A/Aは14.0型の液晶を搭載していながら、質量は最軽量構成(軽量省エネWUXGA液晶、標準バッテリー搭載時)で約1.19キロと軽く、外回りの多い営業職やオフィスと自宅を行き来するハイブリッドワークの働き方で力を発揮する。U5615A/Aは作業がしやすい視認性にすぐれた16.0型ワイド液晶の大画面とテンキーを備えているので、設計や開発、数字を扱う経理など情報量の多い業務で生産性を引き上げてくれる。

LIFEBOOK U5415A/A(提供:富士通)《クリックで拡大》

 U5415A/A、U5615A/Aはユーザービリティにも優れている。例えばキーボードでは、矢印キーを一段下げた配置や、キーエリアごとに打鍵感の重さを調整するなど、日々の入力をストレスなく行えるよう設計されている。

 また、底面カバーを外せばバッテリー交換が可能で、万が一の際も現場だけで対応できる。これにより情シス部門への依頼や修理手配が不要となり、運用負担の軽減につながる。さらに、バッテリーのみを交換して本体を継続利用できるため、総保有コスト(TCO)の面でも貢献する。

LIFEBOOK U5615A/A(提供:富士通)《クリックで拡大》

 PCの導入のコストについて、楊氏は「2025年末ごろからメモリの価格高騰が続き、それに伴ってPCの価格も高くなっている」と市場環境の変化に触れ、価格下落のめどがつかないため、後悔しない判断をしてほしいと訴える。

 これからPCの刷新やAI PCの導入を検討する企業に対して、関根氏は「正しい知識で、正しいPC選びをしてほしい。それが数年先に『買ってよかった』と思えることにつながる。AMD Ryzen AI プロセッサーを搭載したAI PCならば、長い目で見た投資先として十分な成果を生み出せると胸を張ってお薦めできる」と語る。

 楊氏は、AMDのここまでの実績を強調。「AMDのプロセッサー搭載PCを採用した顧客からの反応は良く、リピーターになっていく」と反響の高さを説明する。AIエージェントの普及でプロセッサーの役割が増す中、データセンターの技術を受け継ぐAMD Ryzen AI プロセッサーとそれを搭載した富士通のLIFEBOOKは、法人PCの新たな選択肢になるだろう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia AI+編集部/掲載内容有効期限:2026年6月30日