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AIインフラ投資の“調達と設計の壁”を乗り越える

次世代「NVIDIA Rubin」移行の現実解 ASUS独自「3Uハイブリッド冷却」はデータセンターの制約をどう打破するのか

企業がAI投資に注力する一方で、AI利用を支えるインフラ調達が難航している。インフラベンダーは、この難題にどう対応するのか。この難題を突破するためにASUSが提示する新たな最適解とは――。

 かつてないスピードで進化と拡大を続けるAI市場の勢いは、一過性のブームではなく、さまざまな産業の根幹を揺るがす地殻変動を引き起こしている。2025年から2030年にかけて年平均成長率35.9%というペースで成長して、2030年には約270兆円(1兆8110億米ドル)規模に達するとの予測も出ている(Grand View Research調査)。

 多くの企業がこの波に乗り遅れまいと必死だ。実に92%の企業が今後3年間でAI投資を増やすと回答しており、大手企業による投資の80%は機能変革や新サービス開発など「攻めの領域」に向けられる。しかし、この戦略にブレーキをかけているのが、AIインフラ調達の高い壁だ。

 AIの爆発的な需要は、企業にも「デバイスの価格高騰」という形で深刻な影響をもたらしている。価格高騰の背景には、需要に対する「供給不足」がある。2026年6月17日に開催された「ASUS Summit 2026」で講演したASUS JAPANの王慶涛氏は、その原因を『HBM』(高帯域幅メモリ)にあると明かす。

 「半導体メーカー各社が生産資源をHBMに集中させているため、通常のメモリやSSDが後回しにされて市場の供給が圧迫されているのです」

ASUS JAPANの王慶涛氏(インフラストラクチャー ソリューション ビジネスグループ データセンター ソリューション部 部長)

 この流れは止まらない。王氏はその理由を「AIアプリケーションがさらなる進化のフェーズに入るからです」と語る。

 「AIアプリケーションはすでに、人間がプロンプトを入力して回答を得る『生成AI』から、自律的に思考して行動する『エージェント型AI』に進化しました。さらに、現実世界を動かす『フィジカルAI』へシフトし始めています。これからのAIは、人間の指示を待たず、バックグラウンドで自律的に動き続けて私たちが気付かない間にも大量の推論処理をするようになります。つまり、供給不足の動きや高度なインフラの需要は、今後さらに加速するでしょう」

●なぜASUSなのか──AIインフラベンダーとしての強み

 終わりの見えないデバイスの供給不足と価格高騰、自律的に動き続けるAIが要求する天文学的な演算リソース。この不確実な市場環境の中で、企業が最適なAIインフラを調達するには、どのような選択肢があるのか。王氏は、その解答としてASUSを選ぶ理由を次のように語る。

 「第1の理由は、エッジからクラウドまで一貫した『ユビキタスAI』戦略です。私たちはAIへの全面投資(All in on AI)を約束しており、さまざまな環境で最高性能を発揮できる製品群をそろえています。第2に、NVIDIAをはじめとするチップベンダーとの強固な信頼関係です。これにより、業界最速で最新チップを製品化しつつ、市場需要を先読みした調達・供給計画を推進し、変化の激しいAI市場においても安定した供給を維持することで、皆さんのビジネスチャンスを逃しません」

 ASUSの強みは、一社で全ての階層のインフラ提案が完結する点にある。個人のAI研究や現場でのリアルタイム推論に適したエッジAIデバイス「ProArtミニPC」「ASUS Ascent GX10」「NVIDIA Jetsonコンピュータシリーズ」から、AI推論・トレーニング用のGPUサーバ、ラックスケールのAIスーパーコンピュータ「ASUS AI POD」まで、そのラインアップは隙がない。

ASUSの幅広いAI製品ラインアップ 《クリックで拡大》

●スピードと実装力がAIインフラの価値を導入初日から引き出す

 激しい開発競争が繰り広げられるAIビジネスにおいて「速さ」は最優先したい指標の一つだ。最新のアーキテクチャを自社のシステムにいち早く取り込めるのか。ASUSはこの点においても実績と強みを持つ。

 「ASUSは、NVIDIA GB300 NVL72およびNVIDIA HGX B300を搭載した製品をいち早く市場に投入して、北米、欧州、日本を含むアジアなどグローバルで展開しています。2025年8月には、NVIDIA GB300 NVL72を搭載した『ASUS AI POD』の出荷を開始しました」

 ただ、高性能なハードウェアを迅速に調達できたとしても、期待通りに稼働しなければ意味がない。サーバは単なる箱ではなく、システム全体が協調して動く生き物のようなものだ。ASUSの真骨頂は、ハードウェアの提供にとどまらない「実装力」にあるという。

 「われわれは、高性能サーバという箱だけを売るメーカーではありません。CDU(冷却水分配ユニット)の供給から、エアフローおよび冷却経路の最適化、ネットワーク効率の改善まで、専門チームが一貫したコンサルティングを行って管理ソフトやOSのシームレスな統合を実現させます。エンドユーザーは導入初日から最高水準の演算性能を享受できます」

●NVIDIA Rubin移行に立ちはだかる「冷却と電力の壁」への現実解

 AI技術の進化を受けて、業界の視線は2026年に量産が開始される次世代アーキテクチャ「NVIDIA Vera Rubin NVL72/ NVIDIA HGX Rubin」にすでに向けられている。NVIDIA NVLink 6による最大3600 GB/sという驚異的な帯域幅は、AI推論の効率を10倍に高めると期待されている。

 ASUSはすでに、この次世代プラットフォームへの移行準備を整えている。NVIDIA Vera Rubin NVL72を搭載した「ASUS AI POD」は、2026年第3四半期から量産開始予定だ。進化させたケーブルレス設計や、高効率な480VACの電力インフラに対応する。

 しかし、次世代プラットフォームの移行となると、大幅に増加する「消費電力」と、それに伴う「発熱」が気になるところだ。ハイパワーなAIインフラでは従来の空冷システムは物理的な限界を迎えている。とはいえ、既存のデータセンターを完全な液冷設備に改修するには、莫大なコストと期間を要する。

 この業界共通の難題に、ASUSは独自のブレークスルーを提示する。

 「次世代製品で特に強調したいのは、ASUS独自設計による『3Uハイブリッド冷却モデル』です。システム内で3Uの筐体を二つの領域に分け、最も発熱の大きいGPUを搭載する1U部分のみを液冷化しました。一方、CPUやその他のコンポーネントを搭載する2U部分は、従来通りの空冷で対応します。液冷を必要な箇所のみに絞り込むことで、冷却インフラを最適化する設計です」

 この設計ならば、液冷設備の容量に限界がある既存のデータセンターでも、最新のNVIDIA Rubinを導入できる。ASUS独自のケーブルレス設計を徹底することで液冷箇所を限定して液漏れのリスクを最小限に抑え、メンテナンス性も向上させ、TCO(総保有コスト)の削減を実現している。

 もちろん、PUE(電力使用効率)の最適化を最優先するユーザー向けには、NVIDIAのレファレンス設計に準拠した2Uサイズの筐体全体を液冷する「100%液冷モデル」も用意されている。データセンターの要件に合わせて最適化が可能だ。

NVIDIA Rubin GPU採用の最新サーバは、イベント会場でも展示。独自設計による冷却モデルが来場者から強い関心を集めた

●「AIスーパーコンピューティング分野のドメインエキスパート」としての実績が生む信頼

 独自のハイブリッド冷却設計や徹底した実装サービス。これらはASUSが長年にわたって培った高度な技術力に裏打ちされている。

 ASUSは、サーバ単体のパフォーマンスを測る「SPEC CPU」やAI性能の指標になる「MLPerf」で世界トップクラスの記録を樹立してきた。また、「ASUS AI Lab」でサーバ出荷前の動作検証を徹底して、現場でのトラブルを未然に防ぐ品質管理体制を敷いている。

 その実力は、国家レベルのミッションクリティカルなプロジェクトで実証されている。王氏は、次のように実績を振り返り、講演を締めくくる。

 「実績こそが信頼の証です。ASUSは、台湾の政府スパコン機関である『NCHC(National Center for High-performance Computing)』に10年以上にわたって採用され続け、世界トップクラスの性能を実現しました。われわれはサーバの提供にとどまらず、データセンター全体の設計、ソフトウェア基盤の構築、日々の運用を一気通貫で手掛けています。この『AIスーパーコンピューティング分野のドメインエキスパート』としての深い知見と経験があるからこそ、日本を含む各国の大規模プロジェクトで、ASUSがパートナーとして選ばれ続けています。われわれは皆さんが心から信頼できるAIエコシステムパートナーとして、変革の時代におけるビジネス機会を共に切り開きます」

 AIがビジネスの前提になる時代。急速な市場の変化と技術的制約という重圧の中で、ASUSが提示した解答は明確だった。最先端のテクノロジーと、それを現場で使える形に落とし込む実装力。それらを備えるASUSソリューションは、今後もAI市場で強い存在感を発揮するだろう。

最新AIインフラの発表とあってイベント会場を多数の来場者が埋めた
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ASUS JAPAN株式会社

アイティメディア営業企画/制作:ITmedia AI+編集部/掲載内容有効期限:2026年8月9日