社内データを価値あるものに! みずほリースとセイコーソリューションズが挑む生成AI活用

» 2024年07月16日 10時00分 公開
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 みずほフィナンシャルグループ系列のリース会社であるみずほリースは、生成AIを業務効率化の切り札と捉え、営業資料の自動作成や社内マニュアルの整備など、実践的なユースケースに力を入れている。

 活用している生成AIの基盤の一つが、セイコーソリューションズが提供する生成AIプラットフォームだ。セイコーソリューションズは、セイコーグループのシステムソリューション事業を担っており、ITテクノロジーを駆使して社会課題の解決を目指している。同社が展開する生成AIプラットフォームは、言語モデルのアルゴリズムや特性を深く理解し、ユーザー視点の課題解決や価値提供に強みを持つ。

 みずほリースはどのような戦略でビジネスに生成AIを活用しているのか。みずほリース 大高昇氏(常務取締役 常務執行役員 CIO)とセイコーソリューションズ 坂本博文氏(取締役 常務執行役員)の対談から、ビジネス価値を起点としたDXの在り方を見ていきたい。

(左から)みずほリース 大高昇氏(常務取締役 常務執行役員 CIO)、セイコーソリューションズ 坂本博文氏(取締役 常務執行役員)

坂本氏: みずほリースの事業は堅調で高い成長率を示しています。その成長をけん引する力は何でしょうか。

大高氏: 2019年にみずほフィナンシャルグループの持分法適用関連会社になり新生みずほリースが誕生しました。リース会社の特徴は、扱える商材やサービスの幅が銀行業務よりも格段に広いことです。加えて、みずほ銀行の顧客基盤を活用できるという大きな強みを生かして事業を伸ばしてきました。

 お客さまのDX推進に関与することでみずほリースの事業領域も広げていけると考えています。中期経営計画では、2025年度の目標値として当期純利益420億円を掲げ、さらなる成長を目指しているところです。

業務効率化と事業拡大に資する生成AIの可能性

坂本氏: みずほ銀行との密接な連携の他、多様なサービスでお客さまに寄り添うなど戦略的、多面的に取り組んでいるのですね。こうした中、テクノロジーの活用について、CIO(最高情報責任者)としてIT領域の課題や期待はありますか。

大高氏: 現在、基幹システムのリプレースとインフラ面の刷新を進めています。このインフラ刷新と併せて、生成AIをはじめとしたデジタル技術の動向にも注視しています。日本経済を支える多くの企業がDXやAI活用を加速させています。そこで当社も2023年4月にデジタル推進部を立ち上げ、生成AIの積極的な活用に取り組んでいます。

坂本氏: 生成AIの活用はどのような点がメリットでしょうか。今後、リース業務や金融業務をどう変革したいと考えていますか。

大高氏: 生成AIはあくまでもツールなので、“どううまく使えるか”だと思います。現在は、社内のセキュアな環境で「GPT-4」レベルのモデルが使える基盤を整備し、実証実験を進めています。そこで見えてきたのは、生成AIを使う事で社内データをいかに価値あるものにしていくかが重要だということです。

 社内の業務マニュアルや規定類などは“継ぎ足し”で長年更新されてきました。そのため特定のキーワードで検索しても、多数の候補が出てきてしまい、目的の資料に行きつくのにかなり時間を要します。

 一方、これらのマニュアルをデータ化して生成AIに読み込ませると、「表が読めない」「社内用語だけでまとめられている」といった理由でうまく回答が返ってこない場合が結構あります。

 社内マニュアルは、昨今多くなってきたキャリア採用の方々を中心に活用されています。その整理は現場の生産性向上のために非常に重要です。しかし、人の手で整理するのは負担が大き過ぎます。整理の段階から生成AIを活用できないかと考え、セイコーソリューションズにもいろいろと相談しましたね。

 将来的には整理した内部データに、出典を明示した形で外部データを掛け合わせるといった活用も視野に入れています。そうなれば、生成AIをより広範な情報収集ツールとして役立てられるはずです。出力情報を1つの回答に集約せず、マルチな視点で提案してもらえるとよいですね。

 テキストだけでなく音声や画像といったマルチモーダルなデータ活用にもチャレンジしたいと思います。みずほリースとしては、生成AIの力を徹底的に使い倒すことで事業拡大につなげていくという考えです。

坂本氏: セイコーソリューションズも、多くのお客さまとAIを活用したビジネスについて議論してきました。AIを使った機械学習や査定分析、ログ分析などを検討する中で、「ChatGPT」をはじめとする生成AIが登場したのです。

 生成AIの登場で環境は大きく変わりました。大高さんの課題を聞いたときに、当社の知見を基に支援できるのではと思い提案したのですが、今回生成AI活用のパートナーの1社として当社をお選びいただいたポイントはどこでしたか。

生成AIの本質を捉え、業務適用の現実に即した提案力

大高氏: 今回のマニュアル整備などの一連の取り組みは、みずほリースにとって優先度が高いミッションです。そのため複数のシステムベンダーに相談して進めてきました。

 特に生成AI関連は複数ベンダーと並行して進めていますが、セイコーソリューションズの提案が特徴的だったのは、生成AIの特性やアルゴリズムの本質に比較的深く切り込んだアプローチを取っていた点です。言葉のベクトル間の関係性をどう定義しているかといった技術的な考察を示してもらい、丁寧な説明を心掛けている姿勢を感じました。

 セイコーソリューションズの手法はFAQベースであり、質問と回答の関係性から未知の部分を補完する生成AIの特性をうまく活用していると考えます。質問と答えのペアを適切に構築することで精度の高い結果が得られ、外部ドキュメントを参照することで回答の幅を広げられるわけです。現実的でスマートなソリューションだと感銘を受けました。

 仮に社内のリソースだけで対応していたら、他のプロジェクトとの兼ね合いからAI活用が後手に回っていたでしょう。アジャイルに開発したいと考えていたときに、本質を捉え、技術に裏打ちされた納得感のある提案を頂けたことは大変ありがたかったです。

坂本氏: 打ち合わせで印象に残ったのは、大高さんが「楽に新しい技術を使えないか」を第一に考え、AIを人間側に近づける方法を模索していた点です。

 他の金融機関では生成AIの活用を難しく考え、AIに合わせて文章やマニュアルを作り直すことが多いようですが、大高さんの発想は斬新だと感じました。AIだから100%正解である必要はないが、積極的に使っていきたいという考え方は重要なポイントですね。

生成AIの活用やCRM連携で、業務の生産性を引き上げる

大高氏: 補足すると、みずほリースのDX推進においては社員のリテラシー向上も重要な施策と位置付けています。2023年に「3年間でITパスポート保持者を200人育成する」という目標を掲げたのですが、初年度だけで約280人が資格を取得しました。

 全社的な取り組みを通じて、デジタル技術への関心や理解度は着実に高まっています。リース事業は金融の中でも守備範囲が広く、“何でも屋”にならざるを得ません。だからこそ、新しい技術を積極的に活用する社風が根付いてきたのかもしれません。

 とはいえ、生成AIは精度の評価など課題も多く、性能を100%信頼してシステムを組むわけにはいきません。利用方針の策定では、コンプライアンスや法務、リスク管理などの部門とも議論を重ねました。結果、社内利用に限定することを大前提としつつ、業務効率化に役立つのであれば積極的にトライしようという方向性を打ち出せました。

 アウトプットの正確性を確認する手順も必要でしょう。それでも、9割方適切な回答が返ってくるだけで現場の負荷は大幅に下げられるはずです。マニュアル整備を人海戦術でやろうとすると膨大な工数がかかってしまいますからね。

 生成AIをうまく活用し、業務の生産性を現在の2倍に引き上げることが私の目下のミッションです。現時点では生成AIだけでそこまでのインパクトは見込めませんが、技術進化によっていずれはそのレベルに到達できると期待しています。

 またセイコーソリューションズには営業資料の自動作成など、よりビジネスに密着したユースケースにも精力的に取り組んでいただいています。営業のナレッジを集約したナレッジベースとCRMを連携させてお客さまのニーズに合わせた提案資料をリアルタイムに紡ぎ出せるようになれば、強力な営業ツールになり得ます。「この商談を成立させるには何が必要か」といった機微に触れる部分まで、ある程度カバーできるのではないかと想像しています。

坂本氏: デジタル技術は日進月歩で進化しています。みずほリースのような先進的なユーザー企業と共に、サービスプロバイダーも新しい価値創出に挑戦し続けなければなりません。

 目下のテーマは生成AIですが、近い将来には新しい画期的な技術が登場するかもしれません。重要なのは、そうした技術革新の波をいち早くキャッチアップし、ビジネスにどう活用できるかを考え抜くことです。

 人口が減少する中で、デジタルの力を結集し、労働生産性を飛躍的に高めることが喫緊の課題です。個人のGDPランキングで再び世界のトップに躍り出る――そんな日本の未来の実現に向けて、微力ながらセイコーソリューションズも貢献したいと考えています。

大高氏: 個人も企業も、社会全体の持続的な成長のためには生産性の向上が不可欠です。その先鋒(せんぽう)に立つべく、みずほリースもDXの推進に果敢に取り組みます。

 セイコーソリューションズのようなプロフェッショナル集団との連携があれば、今後の道のりもきっと心強いものになるはずです。

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