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ChatGPT「deep research」 vs. Gemini「Deep Research」──どのくらい違う? 比較検証してみた(4/4 ページ)

米OpenAIが2月3日、ChatGPTの新たなエージェント機能「deep research」をリリースした。この機能がどのように活用できるのか、類似サービスであるGoogleの「1.5 Pro with Deep Research」との比較で考えてみたい。

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(2)特定の法制度の分析

 それでは、Geminiにも得意分野の質問を与えてみよう。試してみたのは「Please summarize the trends in AI regulations at the state level in the United States(米国の州レベルでのAI規制動向をまとめてください)」というプロンプトである。

 まずChatGPTだが、ここでも「特定の州を調べるのか、それとも米国の全州を対象とするか」「特定の分野に関する規制か」といった質問があったため「全州を対象に、トピックは限定せず」調査するように指示した。

 Geminiについては、提案された調査計画に地域・トピックを限定するような要素がなかったため、そのまま実行するよう指示した。その結果得られたのが、次のような結果だ。

ChatGPT deep research Gemini Deep Research
出力されたレポート(英語)の単語数 6660 4593
参照した情報源の数 22 74
主な内容 ・主要な立法動向
・注目すべき州のAI法と政策
・各州のアプローチの比較
・新たなパターンと将来の方向性
・州レベルのAI法の主な規定
・共通のテーマと傾向
・AI教育と人材育成
・政府によるAIの活用
・違いと対立
・連邦レベルのAI規制
・専門家の意見と分析
・AI規制の施行における課題
・AI規制がイノベーションに与える影響

 ここでも「興味深いと思われるトピックを深掘りに行こうとするdeep research」と「周辺トピック(中心テーマと関連する話題)まで広く調べようとするDeep Research」という傾向が現れている。

 市場調査や規制動向調査などは、あるていど調査範囲が限定され、章立てや構成も固定化されているテーマだ。その中では、イレギュラーな動きを深掘りすることも重要だが、全体像を把握することが欠かせない。

 その意味で、Geminiのレポートにある「連邦レベルのAI規制」や「AI教育と人材育成」「イノベーションに与える影響」などは「州レベルでのAI規制」というテーマのど真ん中ではないものの、大きな視点からこの問題を理解する上では、含めておくことが望ましいトピックだろう。

 もちろん、deep researchが出力したレポートに重大な抜け落ちがあったというわけではない。しかし「1つでも面白いアイデアが浮かべば成功」というクリエイティブ企画の場合とは異なり、動向分析系のタスクでは網羅感が求められる。その意味で、Deep Researchが幅広い情報源を対象とし、大きなコンテキストウィンドウで分析を行ってくれるのは頼もしい限りだ。

 今回はChatGPTの新しい調査用エージェントであるdeep researchを、同じく調査用エージェントであるGeminiのDeep Researchとの比較で考えてみた。今回の結果は単なるスナップショットであり、両サービスはこれからも進化し、さらに他のAI系企業から同様のエージェントが登場してくることだろう。

 そうなればますます、それぞれのエージェントの特徴や長所を把握して、適材適所で活用することが求められるようになる。AIエージェント時代になったからといって、決して人間の仕事はなくならない――今度はいかにそれをうまく使いこなすかが問われるようになるだけだ。

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