【起動生成GUNDAM ジェネーティブネクス】──生成AIはジークアクスになれるか? AI普及へのヒントを考える:マスクド・アナライズの「AIしてま〜す!」(3/3 ページ)
生成AIを知って使いこなすのは、どんな人が多いか。生成AIと共通点が多い「ガンダム」から、生成AI普及への手掛かりを考える。
生成AI普及に必須となる「共通言語」
生成AIが社会に大きな影響を与えつつあるのは事実です。ここで新たな利用者を増やさなければ、普及は進みません。ガンダムがジークアクスによってファンと認知を拡大したように、生成AIもIT業界の一部の人が使う謎のツールから、社会全体へ利用されるべくファンと認知を拡大させる必要があります。そこで重要なのが「共通言語」です。
生成AIを広めるには、軸となる知見や知識となります。全く知らないままでは使いこなせませんし、問題も発生します。企業や生活で利用する上で、基礎となるリテラシーを幅広い人々が身につけることが必要だからです。こうした意味で「共通言語」という表現を用いています。
共通言語があることで理解度は高まり、導入活用がスムーズに進みます。人間は分からないものに対して強い拒否感がある一方、既に知っていれば検討の余地が生まれやすくなります。
共通言語において重要なのは、信頼性と速度です。会社で生成AIを導入する側と利用する側がお互いに生成AIを共通言語として理解しておけば、スムーズに話が進みます。しかし生成AIに対する理解が進まないため、導入側と利用者側でお互いが理解できずに活用が進まないという悪循環に陥っています。
仮に生成AIとガンダムという共通言語があれば、理解は容易になります。「生成AIの性能の違いが、成果の決定的差ではないということを教えてやる」と言えば「生成AIツールは利用する人間の能力によって成果が大きく左右される」という点が分かります。
生成AI導入に対して過剰なセキュリティ対策やルールを求められれば、「あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ」と抗議して本当に必要な取り組みがあることが理解できます。「生成AIは数だよ、社長!」と説得すれば、導入後に社内において利用者を増やすことが必要だと実感できるでしょう。
お互いに理解している背景があることで、共通言語が役立つでしょう。生成AIの導入に二の足を踏むならば「V作戦に匹敵する重要性である」「モビルスーツ開発をせずに戦えるのか」と説得力が増します。生成AIが無料版しか使えない状況を変えるなら「数で攻める一般兵はジム(無料版)で良いが、エースパイロット(専門職)であればガンダム(ChatGPT Plus)やマグネットコーティング(ChatGPT Pro)を支給すべき」と説得できます。
ビジネスパーソンが未経験の分野において新たに学ぶことは「リスキリング」という単語が生まれる前から求められています。生成AIでもガンダムでも新たに学ぶ事は同じです。
初心者を大切にすれば界隈は盛り上がる
お互いに学んで理解することの重要性は、共通点を作る事にあります。異なる人間同士をつなげるものは、共通点になります。生まれた都道府県や出身大学など、同じものがあれば人は仲良くなります。仲良くなれば「仕事上の取引」ではなく「仲間のために頑張ろう」という意識変革につながります。
さらに企業で生成AIを活用するにあたって、生成AIの技術だけでなく職種ごとの知見や業務知識との連携が重要になります。ジークアクスで登場した戦術概念である「M.A.V.」(マヴ)において、2機1組で視界を補う戦い方と同じです。生成AIの導入だけでなく、どのように業務へ生かすかを知る利用者の連携が重要となります。そのために会社として生成AIにおける共通言語を深める点が重要となります。
生成AIを活用する上で重要なのは、専門知識と生成AIにおける理解度です。専門知識と生成AIの理解があれば、さまざまな場面で素早く使いこなして高い成果を挙げられます。どちらか一方だけでは無理なので、会社内でお互いの得意分野を持つ者同士で能力を組み合わせることが求められます。
これを実現するために重要となるのが、共通言語です。ガンダムであれ、生成AIであれ、それ以外の分野であれ、新たな知見を共有することの重要性は変わりません。どんなに人気がある分野でも、最初は一部の人しか知りません。そこからマニアだけにとどまるか、広く人気になるかは関わる人によって決まります。
かつてのガンダムも「一部のマニアが騒ぐだけ」「一過性のブームにすぎないオモチャ」という評価もありましたが、今や世界に広がるコンテンツ産業になりつつあります。生成AIも社会に与える影響を叫ばれる一方で、関心の低さが懸念です。「初心者を導くのは上級者の義務」「どんなコンテンツも初心者が入らないと廃れる」を忘れずに、生成AIの新たなファンを増やすために間口を広げていきましょう。
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