生成AIの権利侵害、問題なのは著作権? それともパブリシティー権? アミューズ法務部がXで解説
大手芸能事務所のアミューズが、最近話題になったニュースをもとに、生成AIの権利侵害問題について、同社法務部の公式X(@AmuseLegal)で解説している。著作権とパブリシティー権の違いや、ケースごとにどちらの権利が論点となるのかを紹介した。
大手芸能事務所のアミューズが、最近話題になったニュースをもとに、生成AIの権利侵害問題について、同社法務部の公式X(@AmuseLegal)で解説している。エンターテインメント分野の法務の観点から、著作権とパブリシティー権の違いや、ケースごとにどちらの権利が論点となるのかを紹介した。
アミューズは、著作権について「著作物を創作した人に発生する権利で、一部の例外を除き、無断でその著作物を利用されない権利。つまり、この権利により保護される対象は著作物」と説明する。一方、パブリシティー権は「有名人の氏名、肖像、声などの有する魅力を無断で商業利用されない権利。つまり、この権利により保護される対象は有名人の氏名、肖像、声などが持つ魅力」という。
この分類のもと、例えば、読売新聞グループ3社と朝日新聞社、日本経済新聞社が、AI検索サービス「Perplexity」を運営する米Perplexity AIに起こした訴訟では、著作権が論点になると指摘。「大手新聞社が創作した新聞記事の複製や、新聞記事に類似した内容の回答を公衆に送信されることが、各社の著作権を侵害したのかがポイント」という。
一方、声優の山村響(やまむら ひびく)さんの指摘に端を発し、同氏の許可なく声を学習に利用した可能性があるとして、無料のAI音声合成ソフト「AivisSpeech」がSNSで波紋を広げた件に対しては「有名人の声が持つ魅力を無断で商業利用された疑い、つまり、パブリシティー権がポイント」との見解を示した。
他にもアミューズは、生成AIの利用により、著作権とパブリシティー権の侵害となりうるケースの詳細についても、例を挙げながら解説している。
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